2019/07/31 歌謡曲が好き

お金を出さなければ消えてしまうのです


世の中の多くの「事業」は誰かが利用してお金を払うことで維持、発展していくものです。
自分が支出せず、タダでコンテンツを得ていることが続けば、どんなものでも維持することはできません。


例えば、畑や牧草地、牛や馬などが放牧されている風景が有名な観光地。車で通過するだけで、その風景を見て「いいなぁ」と思うだけでいいのか?というのがあります。その畑、牧草地、家畜などを維持するためには彼らが農業を続けられるだけの収益が継続してなければならないのですね。ですから、その土地で、地元の農産物なりを買っていって欲しいな。そう思うわけです。


民放テレビは無料で放送されていますが、それは公告と引き換えであります。昨今は録画視聴が多い以上「公告を見て貰えない」状態が多く続けばテレビ放送は維持できません。そしてテレビに出演する芸能人も多くは生きていけません。公共放送であるNHKにしても、スポンサーが国民であって、徴収する受信料であるというわけですから、今の方式を続ける以上受信料を払わない世帯が増えれば維持できません。


テレビに出ない芸能人、アーティストは、楽曲の売上、ライブの観客が支払うチケット代金で活動が継続できるか決まってくることになりましょう。もちろん物販の売上も無視できない金額になります。


一般社団法人コンサートプロモーターズ協会
基礎調査推移表
http://www.acpc.or.jp/marketing/transition/
1989年 ライブ本数8,900本 入場者数1,500万人
2018年 ライブ本数31,482本 入場者数4,862万人 年間売上額3,448億円

このようにライブの本数、入場者数が伸びているのは、アーティストがテレビに出なくても活動を継続できるようになったとも言えるのかもしれません。

テレビに出てる人だけが、雑誌で取り上げられる人だけが芸能人ではなく、ファンの裾野が広がり、「マス」という単位でなくても活動できるだけファンを集められるとも言えます。

とはいえ、彼らとて、楽曲をリリースし、それが継続できるためには一定のCD売上、一定のダウンロード数が必要でもあります。これを不正な無償のミュージックアプリなどで「タダで聞いて応援している」は通用しないのです。ちゃんと公告で運営し、権利者に配分されるタイプのアプリも世の中にありますが、基本的に無料で何でも聞けると言うことは存在しません。

だから、少しでも気に入った、いいなと思ったアーティストさんにはお金を払って欲しいんです。そして、中古の本やCDではその著作権者には配分されませんから「新品」を買って欲しいのです。

デフレ時代を過ごしてきたバブル以降に生きてきている私たちは「安いことは良いことだ」と値段が安いことに意味を感じていたんですね。でも、そのために国内のさまざまな製品が世の中から消えて、様々なアーティストが活動を継続できない世の中にもなってしまったんです。ただ、ネット時代で世に出すハードル自体も下がりましたので、応援の仕方も多様化された。だからこそ、ちゃんと届く応援をしたいなとも思うんです。

今年も半分過ぎて、様々な事情で解散、活動休止を決めたアーティストさんを見て、そしてリアルな中でも愛用していた製品が発売中止になり、愛用していた事業者が活動を停止することもおきています。一人一人の力は小さいですが、継続して応援していくことが必要なんだと思うんです。

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