2019/10/08
歌謡曲が好き
歌謡曲バー
80年代歌謡曲
田原俊彦
トシちゃんは「ファンを裏切らなかった」
先日、めったに行わない日曜営業のすすきの歌謡曲バー「ザ☆ベストテン」さんにお邪魔しました。
こちらのお店は基本的に月-土の20時-24時という営業ですので、世の中の休日に店が開いてることはめったにありません。この日少し仕事をしましたので寄ってみることにしたんですね。
10月6日はZepp Sapporoでトシちゃんこと田原俊彦さんのライブが行われていました。そしてライブ終了後にトシちゃんファンのご一行様がお店にいらしておられました。
今回ちょっと用事があって見ることができなかったんですが、今のトシちゃんのライブ、是非見たかったんですよ。
田原俊彦さんは1980年6月21日レコードデビュー。キャッチコピーは「熱く激しくしなやかに」
たのきんトリオでは少しお兄さんな当時18歳(1歳若くプロフィールを書いていたはず。金八先生では中学生役だしね)でした。とかく1980年という新しい時代の新しいアイドル像を確立した方でもあります。
デビュー曲は「哀愁でいと」カバー曲で原曲はレイフ・ギャレットの「New York City Nights」です。この曲が初っぱなからオリコン最高位2位、ザ・ベストテン最高位1位、71万枚以上の大ヒットになるんですから、とかくジャニーズアイドルらしいテレビで存分に顔を売っての満を持してのレコードデビューと言えましょう。
「哀愁でいと」ですが、初回プレス盤は特製レコード袋やソノシートがついていたんですが、残念ながらこちらは入手できていません。ソノシートは何種類かあったと言われていますが、実際どうなんでしょうね。
ザ・ベストテンの1位はファンによるハガキリクエストによる応援が多かったことがわかります。
初公開!でもないのですが、当サイトのデータを司るデータベースシステムの一部です。
ザ・ベストテンの項目の右側4項目はレコード売上・有線放送・ラジオランキング・ハガキリクエストランキングの順位です。8月14日付けよりあとハガキリクエストは1位を記録しています。オリコンランキング(レコード売上順)で最高は7月28日の6.4万枚で2位ですから、レコード売上は下がっているのにザ・ベストテン総合ランキングでは1位というのは見ての通りハガキリクエストがものを言うわけです。(ザ・ベストテンはこの4要素に配点比率を掛けて出しますので4要素1位の場合の最高点は9999点になります。この当時は「レコード30%・有線10%・ラジオ29%・はがき31%」だったはずです。ちなみに8月14日付けは総合2位ですが、得点は9372点とこの曲最高点です)
とっても余談ですが、ザ・ベストテンの得点、レコードランキングはオリコン・ミュージックラボ・ミュージックリサーチ3社のランキングを平均していますので、同じ4要素ランキングでも得点が違うことがあります。
1980年8月14日の「哀愁でいと」を見てみますとレコード3位、有線7位、ラジオ3位、ハガキ1位ですので、そのまま計算すると9406点になりますが、多分いずれかのレコードランキング誌の順位が4位であるためレコードの順位は3.333となりまして、ここから1位30点、2位29点・・・と出しますと総合得点は9372点と番組発表通りとなります。この計算方法は後日すすきの歌謡曲バーザ☆ベストテンさんでやらせて頂く私のイベントでちょっと紹介しますね。
さて、デビュー曲で度肝を抜いたトシちゃん。次曲「ハッとして!Good」ではオリコン1位獲得、1990年に発表する38枚目のシングル「ジャングルJungle」まで1曲も欠けること無くオリコン10位以内を獲得します。1980年代はトシちゃんの時代なのです!(言い切ってみる)
さて、1994年にジャニーズ事務所から独立後は、発言を切り取られた「ビッグ発言」などで表舞台から姿を消したかに見えたトシちゃんは、どっこいずっと活動してるわけです。意外と似合ってたのが1997年の必殺始末人。これは後にいくつかのVシネ作品になっていたりしますが、これ、必殺シリーズが終了して、当時のスタッフがなんとか次作を作ろうと奔走した結果なんじゃないかと思うんですね。その中でトシちゃんが光るんですよ。誰もが「あのトシちゃんでしょ?」と言ってた時代に、しかも場違いとも言える時代劇の主演ですよ。もう一度言いますが、必殺シリーズが終わって「残党」がなんとか作った正直低予算な、新しいところがほとんど無い映画。それを私は公開から20年経って見直した時に自分の頭ぶったたくくらい驚いたわけです。トシちゃん凄い!。そしてこの映画南野陽子さんも出演しておられますが、こちらも役柄合ってるし好演。このお二人のシリーズ、もしこの時代にテレビでできてたら、もしかするとトシちゃんとナンノちゃんは時代劇役者として一世を風靡してたかもしれません。もし機会がありましたら是非。
https://www.youtube.com/watch?v=ijJ8TuxBT2Q
https://www.youtube.com/watch?v=nTGHiPvG7t0
つまり、テレビが取り上げずに「終わった人」扱いしていたそのときに、トシちゃんは演技を磨き(ほんと殺陣凄いから見てみて!)ファンと交流を深め、毎年のように新曲を発表し、そして毎年ライブで歌っていたんです。本当のエンターテイナーだったんじゃないかと思うんです。
ファンの方に「歌もダンスも今の方がずっと上手で素敵」と言わしめる。普通は60手前になっているトシちゃんが踊れませんって。それが当時のままに踊っていますと言わせる。それが凄いのですよ。
過去に一世を風靡した多くの歌手は歌い方を変えざるを得ないし、当時のダンスを披露できない。しかし、彼はそれをずっと行っている。これはすごいことだと思います。誰にでもできるものではない。そしてその根底にはきっとファンを喜ばせたい、ファンを裏切りたくないという気持ちがあって、そして、ファンもまたそれに応えたと思うのです。
札幌ライブ集客は以前から芳しくないと言われています。トシちゃんのコンサートも残念ながら数年前は空席があったといいます。先日のライブではかなり埋まっていたとのことで、地道に活動し続けていれば新しいファンも増えて、そして、以前からのファンもまた足を運ぶようになる。それを実現している途中にあるということが、トシちゃんの凄いところなんじゃないかとおもうのです。