ランキングにウソはあった?
では、本当に杏里さんは1位を取れる点数では無かったか?ランキングにウソがあったのか?というのをちょっとだけ検証したいなと思います。
まず、データですが、キャッツ・アイは1983年8月5日発売。最終的にはオリコン調べで82万枚を売り上げていますので大ヒットしたとも言えるでしょう。
当サイトのデータベースでも、オリコンランキングでは1983年9月26日から10月24日までは1位を獲得しています。また、この曲を使用しているアニメを放送していた日本テレビ系のザ・トップテンでは10月17日から11月21日まで1位を獲得しています。
ザ・ベストテンはレコード・有線放送・ラジオランキング・ハガキリクエストの4要素からランキングを作成しています。各項目の1位から30位を出し、1位を30点、30位を1点という形で点数化し、この時期はレコード45%(3社15%ずつ)、有線10%、ラジオ22%、ハガキは23%を掛けて得点を出すわけです。ですので、番組冒頭で発表される各要素のランキングがわかれば、ある程度ランクイン曲と順位を予想できるというわけです。
レコードランキングは約1週前のオリコン・ミュージックリサーチ・ミュージックラボのランキングデータを使用しています。残念ながら11月7日付(11月2日発表)オリコンランキングでは「キャッツ・アイ」は4位です。他の2誌のデータは私個人は持っていませんがおそらく4位、または3位だったと推測します。番組で発表されたレコードのランキングは4位ですので、このデータは間違っていないと推測します。
有線放送は「全国有線音楽放送協会」のランキングです。関東の有線放送大手キャンシステムと時事タイムス放送社など地方有線事業者の総合ランキングを使用しています。個人的にはこのランキングデータは有していませんが、番組で発表された有線のランキングは3位で、前々週は1位、前週は2位、そして翌週は6位ですので、ここも3位という数字に極端な操作をしたとは考えにくいと思われます。
ラジオリクエストはTBS系列局でラジオを兼営している20局の放送局のランキングデータを総合して使っています。北海道ならHBCラジオ、東北ならTBCラジオといった感じです。これも客観的にデータとしてわかる方法はありませんでしたが、番組で発表されたラジオのランキングは2位です。前週、前々週も2位でしたので、これもそんなに不可思議なデータではありません。(ちなみにこの前週のベストテンほっかいどうでは1位でした)
さて、ザ・ベストテンのランキングの胆はハガキリクエストのランキングです。ザ・ベストテンでの得点比率では番組開始当初は40%を占めており、組織票による同一筆跡のハガキが大量に届くなど客観的なランキングが得られないため、後に得点比率は何度か変更になっています。1983年当時は23%ですから、やはり大きな比率でもあるわけです。この日の番組で発表されたハガキリクエストランキングにはキャッツ・アイは「圏外」として発表されていません。つまり11位以下。ハガキリクエストの順位は、番組関係者以外は真相を知ることができませんので、もし、得点をいじるならここをいじるしかないはずですが、放送された順位圏外なので最高位としても11位でしかありません。
まとめますと
「キャッツ・アイ」杏里 レコード4位 有線3位 ラジオ2位 ハガキ圏外 総合得点8692点
となります。
対する2位・3位は
「禁区」中森明菜 レコード7位 有線1位 ラジオ1位 ハガキ7位 総合得点8689点
「GOOD-BYE青春」長渕剛 レコード5位 有線9位 ラジオ4位 ハガキ8位 総合得点8426点
こうなります。
1位と2位の点差の少なさも、4要素のランキングを見ても、おっとザ・ベストテン、やっちまったんじゃねぇか?って思っても、まぁ不思議は無いわけです。
ちなみに翌週「禁区」は1位に返り咲いていますから、この1週だけの2位ってやっぱり不思議って思わないでもないんですよね。