2019/12/04 歌謡曲が好き ザ・ベストテン 80年代歌謡曲

ザ・ベストテンの「乗り物系中継」あれこれ


TBSテレビが1978年から1989年まで約12年間放送していました伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」
この番組は正確、正直なランキングと、豪華なセットによる歌唱など、様々な伝説があるのですが、もっともこの番組を「伝説」にしたのは「中継」ではないでしょうか。

追いかけます、お出かけならばどこまでも

番組初期からスタジオに来て歌唱できない歌手を、中継で歌って貰うという構想は持っていたようです。ただ、当時中継費用は回線使用料、現地スタッフの人件費なども含め非常に高額で、中継時間は歌唱中のたかだか5分で割に合わないという声も内部的にはあった模様です。
しかし、これがあることで季節感を感じられたり、普段見ることの無いコンサート中のステージだったりという番組にアクセントが生まれる部分でもありました。


先日の当サイトのイベントでもいくつかザ・ベストテンの凄い中継をご紹介したんですが、あらためて。

1980年8月14日 松田聖子 青い珊瑚礁 羽田空港

以前の記事でもご紹介した松田聖子さんランキング初登場時の映像です。千歳からの全日空機は予定より5分ほど早く飛行していたそうで、TBSスタッフが何とか頼み込んで、結局全日空機は滑走路端まで使い、ゆっくり誘導路を進み、中継に合わせたかのように到着したという回です。


1981年3月26日 松田聖子 チェリーブラッサム 静岡駅

こちらも聖子さん。ベストテン名物となった新幹線中継の初回です。この回、列車が事故で遅れてたため5位ですが、スポットライト(ピンク・レディ)の後に歌唱となりました。静岡駅には野次馬が殺到して大変な騒ぎになったことがわかります。列車の運行に乱れが発生していたわけで、当時の国鉄としてもTBSとしても中止してもおかしくない状況だったわけですが、当時のベストテンの人気度、松田聖子さんの人気を考えるとなんとか実現したいと各方面奔走した結果だと思います。ワイヤレスマイクなどを使った技術的な進歩も見逃せない部分です。


1983年3月31日 田原俊彦 ピエロ 名古屋駅新幹線車内から中継

無線中継の進化といえば忘れられないのが1983年の田原俊彦さん名古屋駅に到着し発車後も「車窓」から中継するという、大胆な中継方法です。
多分名古屋駅で車外に出ての歌唱は野次馬などで危ない事もあったでしょうし、実際に営業運転中の新幹線ですので事故の心配もあります。ならば1車輌を貸し切って田原俊彦さんに新幹線車内から歌って貰おうと考えたのでしょう。

それにしても、なかなかシュールな映像だなぁと思いますし、ヘッドホンにカラオケを無線で流し、ワイヤレスマイクの音を受け取り合わせて流すということを考えるとかなり高度なことをやっているように思うところです。列車到着から発車後まで歌い続け、列車が見えなくなるまで中継ってのは車内の様子が「アカペラで歌うトシちゃん」なのを想像できるだけにちょっと微笑ましく思います。


1984年8月23日 中森明菜 十戒 姫路駅新幹線車内から中継

この新幹線車内からの中継。もう1回ありまして、中森明菜さんが姫路駅停車中の車内から歌うというのもありました。この日は番組自体もミュンヘンからの衛星生中継でミュンヘンの黒柳さんと新幹線の明菜さんという多元中継の技術的な進歩が本当に見て取れる回だと思います。


JINGI・愛してもらいます
中山美穂
2006/2/1

1986年8月21日 中山美穂 JINGI愛してもらいます 米原駅・名古屋駅から中継

さて、新幹線中継の最後は中山美穂さん。こちらは米原駅での中継では音声がうまく中山美穂さんに伝わらず歌唱することができず列車が発車。次の名古屋駅でも中継を待ち構えさせ、こちらで降車して歌って貰い、そのまま新幹線のドアは閉まれど歌いきるという回。
当時の時刻表を見ますと米原駅が21:19で、多分1分停車だったんじゃないかと。

そして名古屋駅は21時43分から44分まで1分停車ですが、最後尾から中継。これは混雑などを避ける意味と、実際にドアを閉める車掌さんがいるのが最後尾ということである程度融通を利かせたい意味もあったのかもしれません。
翌年の民営化を控えている時期で国鉄的にも協力姿勢があったのかもしれませんが、今はできなさそう。あと、この中継、最初から米原だけで中継終了させる予定だったのかしら?それにしては名古屋の準備が完璧すぎるので、最初から2箇所中継するような手はずだったようにも見えます。



ザ・ベストテンの乗り物系中継は松田聖子さんのジェットコースター乗車、阪神電車貸切やチャゲ&飛鳥のまだ開業前の東北新幹線小山駅等も含め多々ありましたが、やはり新幹線中継は番組の醍醐味ではありました。時間が正確な新幹線の特性が発揮された中継と言えましょう。

番外編:ベッド・イン 嵐の素顔

バブル文化をリスペクトして活動している「地下セクシーアイドル」を自称するベッド・インさん。2019年4月に発売されたカバーアルバムのPVでこんな映像を作りました。当時の雰囲気をよく感じますが、もちろんCGでの採用になります。
新:2023年9月の当サイトアクセス傾向
前:2019年11月の当サイトアクセス傾向
次:城達也になれなかった話①
このページのURL https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=1220
top