2021/04/20 歌謡曲が好き 小泉今日子 80年代歌謡曲 楽曲紹介

「The Stardust Memory」小泉今日子



無性に聞きたくなったのがこの曲。もう春先なのにこれから冬って曲になります。
まずはデータですね。ちなみにザ・ベストテンで2位を獲得した1985年1月31日の1位はジュリアに傷心で、レコード売上は上位でしたが、有線ランキングがランク外、ラジオ2位、葉書8位と個別ランキングが振るわなかったということで、レコード主導型のヒットだったような印象です。


「The Stardust Memory」小泉今日子
発売日:1984年12月21日
オリコン最高位:1位
ザ・ベストテン最高位:2位
売上枚数:37.4万枚
レーベル:ビクター
レコード番号:SV-7460

A面:スターダスト・メモリー
作詞:高見沢俊彦,高橋研
作曲:高見沢俊彦
編曲:井上鑑
歌唱:小泉今日子

B面:涙のMyロンリーBoy
作詞:高見沢俊彦,高橋研
作曲:高見沢俊彦
編曲:井上鑑
歌唱:小泉今日子

オリコンでは発売翌年の年間チャート14位を獲得しています。また、ザ・ベストテンでも年間36位ですから、この冬本当によく聴いた楽曲でありました。

この年末年始のお正月映画「生徒諸君!」に主演し、この主題歌であったはずなのですが、個人的に映画の思い入れが全く無くて、多分今もこの映画は見たことが無いはずです。


本州でも冬季の降雪量、降雨量が少ない関東圏など太平洋側ですと、冬は星空が綺麗に見えるのでしょう。北海道の、しかも日本海側に住んでいました私としますと、冬はいつもどんよりした空が広がって、星空が見える日など数えるほどしかありません。なので、春先の今の方が、この曲のイメージだったりするんですよね。まして、バイク、冬はあまり走りたくないのが当地です。本州なら(イメージは少し温暖な静岡とか)ですと、寒くても後ろの彼女の体温が伝わる、なんかいい感じじゃねぇかって(妄想です)

で、映画の内容とは多分全く関係ないのだろうけど、「別れ」をその景色だったり描写だったりでイメージさせていくのが、この曲の凄く個人的には好きな歌詞なのです。何度もバイクで2人がツーリングデートを重ねた、その幸せを回想しながら、「最後」であるこの夜を歌うのです。

もっとこの曲で好きなのは、間奏部分。ここは編曲者の領域なのかな。ギターソロが入って、そのまま「泣き顔を~」に繋がっていくところ、そして、さらに!さらにですよ奥さん!
Stardust Memory...と最後繰り返した、その直後ですよ。よく聞いてください。「ぶぉん!」とバイクのエンジン音に見立てた音、つまりバイクの彼が去って行く様を多分ここで表現しているのだと思うのです。そして、ここから前奏と同じフレーズが印象的なのです。フルコーラス聴きたくなる曲です。

ちなみにモトリークルーのKick start my heartが多分代表的なバイクの音をギターで表現という感じだと思うのですが、一緒に走っていくわけではありませんから、こちらは「置いて行かれる方」エンジンかけて、ぶぉん!なんですよ。

Kickstart My Heart
モトリー・クルー
1989/9/1


楽器でエンジン音を表現するのは、この後も歌謡曲でよく聞かれるフレーズではあります。80年代は「バイク3ない運動」全盛期。バイクは不良の乗るもの!「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」ってことは、逆に言えば、当時の少年達のバイクに対するあこがれがあるわけです。そんななか、可愛い小泉今日子さんが後ろに乗っている姿を想像すれば、もう、当時の青少年はひとたまりもないわけですね。

さらに、そこにエレキギターですよ。ギターもまた「不良」のもつものという定説でありました。確かに80年代後半に高校生を過ごした私でも、学校でバイク乗ってギターやってますって言ったら、ちょっとやんちゃな兄ちゃんだったのです。

この曲の時代から37年も経っています。今やバイクは「大人の趣味」そして、2019年には埼玉県で「高校生の自動二輪車等の交通安全に関する指導要項」が制定されて「3ない運動」から、必要に応じてバイク通学も許可し、安全教育を推し進める方向に変わっています。

埼玉県
「高校生の自動二輪車等の交通安全に関する指導要項」の制定について
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2018/0925-06.html


今や歌謡曲にバイクやクルマが出てくることは少なくなったなと思います。ヤバイTシャツ屋さんの「原付 ~法定速度の範囲で~」くらい茶化した感じじゃないと曲にならない。今やバイクは「格好いい」「憧れの」ものではなくなってしまったんでしょうか?それが、私たちの世代が嫌と言うほど味わった「3ない」に代表される自由を制限された教育の結果なのでしょうか。

原付 〜法定速度の範囲で〜
ヤバイTシャツ屋さん
2020/9/30


今でも、バイクは自由の象徴、そんなふうに思うのです。

The Stardust Memory
小泉今日子
1984/12/21

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