2021/07/13 歌謡曲が好き ザ・ベストテン

昔のザ・ベストテンが見たいんです。懐古趣味と言われようと



TBSがCSチャンネルで定期的に再放送を行っている「ザ・ベストテン」
1978年から1989年までの約12年間放送された音楽ランキング番組です。

生放送に拘り、そして、出演する方は、当時の音楽界を代表する方々。生放送だけにハプニングも多く、そして様々な「物語」が作られました。

だからこそ、その当時に多感な時期を過ごした私たちは、それを神格化してしまう悪い面があります。しかし、やはり、その当時の映像を今見直すと、すごく楽しく、そして、あっという間にあの時代に引き戻されるチカラがあります。それだけ(少なくとも自分にとっては)素晴らしい番組なのです。

なので、毎日でも過去の動画を見たいななんて思うのですが、CSでの再放送は、画質は今のハイビジョンテレビで見ても満足できるだけのクオリティを保ちながらも、出演者のカットやボカしなども入ってしまうのは凄く悲しいと、過去にも何度か書いていたことです。

TBSチャンネル
ザ・ベストテン
https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/special/the_bestten/


かといって、ネットや販売されている録画を購入するのは、まぁ、違法なわけで、違法な形にある程度手を染めないと、この趣味ができない悲しさがあるんですね。
そして、今でも、たまに、当時の録画を販売していた方が著作権法違反で逮捕されるようなことも起こっています。

朝日新聞 2021年5月18日
「ザ・ベストテン」が好きすぎて…自作のDVD販売容疑
> 人気の歌番組だった「ザ・ベストテン」(TBS系)の手製のDVDを売ったとして、警視庁は、静岡県沼津市の契約社員の男(48)を著作権法違反容疑で逮捕し、18日発表した。「子どもの頃から大好きで多くの人に知ってほしかった。多少の稼ぎになるとも思った」などと供述しているという。
 竹の塚署によると、男は2019年9月~20年6月、ショッピングサイトに開設した店舗で、茨城県の男性ら40~50代の4人に「ザ・ベストテン」の映像を記録したDVD17枚を計4万2千円で販売し、TBSテレビの著作権を侵害した疑いがある。
 記録されていたのは1980~2000年に放送された映像で、西城秀樹さんや南野陽子さん、河合奈保子さんを特集していた。男が録画したり、愛好家の仲間から入手したりしたものだったという。
 署はショッピングサイトの販売履歴などから、男が16年5月~20年6月に同様のDVDを計80点売り、計約170万円を売り上げたとみている。

このサイトは私も以前から気になっていたサイトでありました。また、逮捕された方は沼津で歌謡曲バーを経営されていたと思われ、年齢層も私と近い訳で、本当に番組が好きだったんだろうなとしか言いようがありません。ただ、やり過ぎた。

多分、大っぴらにやっていないだけで、このような録画商売は避けられない。そして、それをやりにくくしたのが現在の地上デジタル放送でもあります。なので、今後普通に録画したものがネットに出回るってのはあまり起きないようにも思います。(それこそ機材を揃えてそれをやることを目的にしなければ)

この過去の番組を「見たい」をどうにか違法性無くできないのか?ということが、今政府で議論されています。

日本経済新聞 2021年7月13日
著作物の権利処理一元化、利用者の負担軽減 政府
>政府は13日、知的財産戦略本部(本部長・菅義偉首相)を開き、「知的財産推進計画2021」を決定する。著作権管理団体に委託していない人のコンテンツも一元的に権利処理できるようにし、利用許諾の負担を軽減する。過去の映像やアマチュア作品などを利用しやすくし、権利者への適正な対価還元を目指す。
>例えばテレビドラマをインターネット上で配信する際、原作者や俳優などに個別に権利処理する必要があり、負担が大きい。過去のコンテンツをアーカイブ化しにくいと指摘されていた。SNS(交流サイト)投稿などを通じたアマチュアによる著作物の管理も課題だった。再利用しやすくして利用料徴収が増えれば、権利者に多くの対価を払える。
2021年中に制度化に向けた検討を進め、来年度以降、著作権法の法改正などに着手する。

実は、これそのもの自体がザ・ベストテンなどの音楽番組の公開が進むわけではありません。当時の音楽番組、歌手など権利者はほぼ確実にわかっていますので、個別交渉するにも、その方がYesを言わないから放送されていない面があります。しかし、これがうまく行けば、その個別交渉自体の手間がかなり省けるとも言えるので、再利用しやすくなること自体は歓迎したいところです。

首相官邸
知的財産推進計画2021策定に向けた検討
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/


結局、私たちは違法配信コンテンツを見たいのでは無く、正規な手続きで、適正な価格で配信されたコンテンツを(権利者に正しく配分されることも含め)見たいのですね。

そして、対価を払えばWEBで紹介できたり、画像や動画を貼ることができるようになるなら素晴らしいことです。

何度も書きますが、過去の番組やコンテンツが素晴らしい!と言いながら、違法動画でしか見ることができない。それが海外で人気!と言いながら国内の権利者に一円ももたらされないような状況は排除していなかければなりません。

違法に動画を配信、動画を販売する方も、それを本当にやりたかったのか?本当はこれが素晴らしいから見て欲しい!という欲求がスタートと思いたいし、私個人もその意識を持っています。

いつか、過去の歌番組が、おおっぴらにいつでも見ることができる。そして、それによってテレビ局、出演者など関連する全ての人が嬉しいという状況ができて欲しい。そして、きっとそんな時代がやってくる。それを信じています。


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