2021/11/08 歌謡曲が好き 80年代歌謡曲 田原俊彦 ライブ鑑賞

背中に惚れてしまった。新庄剛志と田原俊彦


目次
  1. 新庄剛志氏の監督就任会見
  2. 田原俊彦氏のファン思いなコンサート

当サイトは自分の家族も見ている(可能性が)あるので、あまり性癖のことは書きたくないのですが。私は背中に魅力を感じるのであります。
男性でも女性でも、後ろ姿は雄弁に語るのであります。その人の魅力だけで無く、生き方や考え方が、意外と背中に出る。

新庄剛志氏の監督就任会見

北海道日本ハムファイターズの次期監督に新庄剛志氏が就任。その記者会見がド派手な衣装で行われました。

パフォーマンスが語られることが多い新庄剛志氏ですが、私個人は彼が北海道の球団。パリーグの球団に入団したこと。それがとても強く記憶に残っています。今は野球中継をよく見る、また、試合観戦も(昨年、今年は行けなかったが)積極的に行っている妻を見ても、日本ハムファイターズが北海道に移転したときに知っていた選手は珍プレー好プレーでテレビに登場する岩本勉投手くらいで、首位打者を獲得している小笠原道大選手や阪神の人気選手でトレードで来た坪井智哉選手もよく知らないといった有様でありました。

2003年11月「札幌ドームを満員にする」「チームを日本一にする」と会見で宣言した新庄剛志選手の入団は本当に衝撃的でした。ファイターズの北海道移転に懐疑的な声は北海道でも少なくなく、当時どうしても人気の面で劣っていたパリーグ、そしてその中でも決して強いとはいえなかったファイターズの移転です。多くの北海道民は巨人戦はテレビで見ていても、パリーグの試合を見たことなどほとんど無かったのであります。そして、その状況をわかっていて「これからはメジャーでもありません。セ・リーグでもありません。パ・リーグです!」と高らかに宣言したのです。

そして、2004年シーズンには野球界では大きな事件がありました。プロ野球再編問題です。9月には選手会によるストライキが行われるという状況までこじれることになります。この問題の大きな所では「パリーグ各球団の経営問題」があります。移転後福岡の球団として人気はあったものの親会社の経営問題があったダイエーホークス、不正経理問題に揺れる西武の問題もありました。


2005年5月31日の巨人戦。観衆は27,363人。新庄選手は2安打1打点。

2005年7月16日の楽天戦。土曜日だが観衆は20,829人。新庄選手の顔ハメパネルがあった。

2005年はチケットの配布もたまに行われて無料観戦していた。チケットの図柄は新庄選手と小笠原選手。

2006年の43000人プロジェクトはどの試合にも行ってるはずで(写真が古い携帯なので出てこない)下手すると1万人も入っていない試合を多々見てきた私たちファンにとっても大きな喜びでありました。当初は札幌ドームの外野上部にレジャーシート敷いて観戦してたんですよ。空いていますからね。それが「イルカやバナナでの席取りはおやめください」(小笠原選手とセギノール選手の観戦グッズ)になるんですから。

ファイターズ北海道移転から、有言実行していった新庄氏。「プロ野球の存在意義は、その街の人々の暮らしが少し彩られたり、単調な生活がちょっとだけ豊かになることに他ならない。ある球団が中心で物事を進ませるセ・リーグにはない、野球くささをパ・リーグは持っている」これはファイターズだけでなく、地域密着な形になっていくプロ野球を表した。プロ野球そのものの姿も、そして北海道の「日常」をも変えてしまったといえましょう。

僕らは何であんなに新庄剛志が好きだったんだろう――2006年、北海道が“野球バカ”になった日本シリーズの記憶
えのきど いちろう
https://bunshun.jp/articles/-/14451

このコラムにうんうんと頷きながら、「新庄監督」の会見を見ました。新庄氏は49歳ですよ。誰とは言いませんが大きなお腹をゆさゆささせているコーチがいるなかで、お腹どころか昨年はトライアウトまで受けてヒットまで放っている。つまり引退後に自己鍛錬を忘れていないってことです。

年齢はそれほど変わらない私は、自分のお腹を一生懸命引っ込ませるのがオチです。

そして、そのド派手なスーツを着こなした背中。背中ですよ。立ち姿が本当に惚れ惚れするくらい綺麗。それが本当に嬉しいのです。グラウンドに新庄選手(監督)が帰ってきたんです。ここ数年のワクワク感が少し薄れたファイターズを、そしてまた日本球界ごと変えていくんじゃないかというわくわくを背中から感じます。


HA-HA-HAPPY
田原俊彦
2021/4/25

田原俊彦氏のファン思いなコンサート

当サイトで、トシちゃんを取り上げた記事はいくつかありますが、べったり書いた記事はもう2年も前の話なのですね。

トシちゃんは「ファンを裏切らなかった」
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=1211

札幌でのコンサートは翌2020年は中止となり、先日2年ぶりとなる札幌公演が実現しました。新型コロナウイルスの感染状況は今年8月の段階ではとても「日常生活」に戻れるような状況ではありませんでした。

しかしながら、9月以降は徐々に新規感染者数は減り緊急事態宣言も9月いっぱいで解除。10月末の段階では10人未満の日がある程度に落ち着いてきたともいえます。当サイト管理者は12月に予定されているライブ1本を「コロナ明け最初」として楽しみにしていたのですが、今回、それより1ヶ月早くトシちゃんのコンサートにお誘いいただきまして、これ幸いと奥さん連れて行くことにしたのでした。

今回お声がけいただいたのは歌謡曲バーのお客様でもありました読者様で、このような付き合い方ができるという意味では喜ばしいことです。残念なのはその歌謡曲バーがもう無いことです。

悲しんでいても仕方がありませんので、喜び勇んでZepp札幌参戦です!今回のツアータイトルは「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ‘T’ TOUR 2021 “HA-HA-HAPPY”」で、昨年できなかった「DOUBLE ‘T’ TOUR 2020 LOVE PARADISE」ステージの振り替え公演ですが2021年6月16日発売のシングルHA-HA-HAPPYの披露という意味ですね。



久々のライブ、緊張しましたね。ライブハウスであるZeppは本来であればオールスタンディングですが、今回は椅子席になっています。前の方でしたので「ガチ勢」の方が多いであろうなか、私らのような「若輩者」がいてもいいのか?って感じではありますが、意外と周りは「熱心なファン」ももちろんいますが、格好的に普通の方も、しかも年齢層は幅広く、男性もちらほらいます。

そして、会場BGMがいいですね。開演前のBGMって、そのファンに合わせてたり本人の好きな曲だったりと思いますが、田原俊彦さんこの系統の曲が元々好きだったのかしら?とか思っておりました。そう思うと、80年代から挑戦的な楽曲はかなりありますしね。

さて、ライブ開演。衣装がなかなか「セクシー」です。そして、やっぱりキレあるなぁ。聞いたとおり、姿形が80年代のテレビで見ていた「トシちゃん」なんですよ。お腹なんか全く出ていないし、少し心配になるくらい。

80年代の歌番組で見たのと変わらない歌い方とダンスを披露するって、やさしい話では無いはずです。歌い終わったら黒柳さんか芳村さんが袖から登場するんじゃないか?そんな幻想すら思うような。昔から変わらない姿がそこにあるように見えます。もちろん年齢を重ねていることは間違いありません。しかし、その重ね方が全く違和感がないのです。ファンが思い描く「年齢を重ねた田原俊彦はこうなっていてほしい」という田原俊彦さんの姿がそこにいるのです。
一世を風靡した多くの歌手は、テレビに出てきても「いやぁ、あの人年取ったなぁ」とか感想されてしまうのは仕方が無いことなんです。でも彼は違います。「変わらないよねぇ」と言えるんです。変わっていても思い描く変化から逸脱していないから「変わらない」と思えるんです。この凄さは単に日常鍛えていますだけでは無理だと思うんですね。センスだったり、仕草だったり、そういうふとしたときに思う「老い」を見せないという、それがすごいと思うのです。

そして、楽曲。デビュー当時の楽曲、改めて聞くといい曲だなぁって思うんですよね。デビューした1980年当時、子供心に大好きなあのアイドルを押さえて1位になる「憎らしい」トシちゃんを思い出すのです。あのときも、覚えやすくて風呂入ってるときに口ずさめる、そしてあの笑い声が脳裏に再生されるのです。どの曲も歌詞に、曲に恵まれたというのがわかります。なんのかんの言っても今歌っても恥ずかしくないし今でもキャッチーなのです。いつだってトシちゃんは「君だけのプリンス」なんです。

子供の頃ファンだったという妻が目をキラキラさせて「ワールド」に取り込まれている様を横目に、ちょっと涙が出てきます。このステージでこれだけ踊って、あの腰の振り方は今でも現役でしょうかと思わせ、周りの比較的年齢層が高めのマダムを虜にしている。これができる60代男性なんていませんよ。みんな夜頻尿に悩んでノコギリヤシとか足腰がどうとかで黒胡麻エキスとか頼りたくなるのが普通じゃないですか。それを飲んでるかどうかは知りませんが、そんなCMになんか絶対登場しないでしょ。誰が何飲んだってあんなダンスできません。

そして、今も少年のようなMC。年を取ったことを、疲れたとか大変とかいいながら、そこには自信があふれている。その自信は裏打ちされた日頃の努力があるとしか考えられないのです。これを40年以上続けてきたのだ。ほとんど毎年シングル曲を出し、ライブを行い、知らない人には「終わった人」扱いされて。でも私の目の前にいる田原俊彦さんは誰よりも輝いて見える本当の「スター」とは何かを見せているように思うのです。それを思うと、テレビの中の言動だけで批判する声というのはどれほど失礼な話かということです。どんなパフォーマンスを行うにもその何倍もの見えないところの努力が必要なことは普段のわたしたちの仕事だって同じです。そして学芸会ではなくパフォーマンスを見せるなら、その何倍も努力しなければならないのでしょう。それをあまり見せずに、高く足を上げ、くるくる回り、そしてビシッとポーズをとれる。背中には疲れが見えていませんよ。

そのステージの緻密さは、お客さんあってのことなのだというのもわかります。お客さんも統率がとれたようなきっちりした応援スタイルは今はありません。総立ちでってこともありませんし、座ってサイリウムを振る方がほとんどです。でも、その目の中には彼がいて、その一挙一動の期待にちゃんと応える演者がいて、そのファンの期待があるからこそのステージが見えます。

最新シングルHA-HA-HAPPYの中で作詞の岩里祐穂さんはきっとトシちゃんの思いを代弁しているのでしょう。「言わせて誇らしく そう 君がいるだけで最高」「幸か不幸か そんなんどっちだっていい 楽しめればそれでいい もう 君がいるだけで最強」ファンがいるから、ファンの後押しがあるから、だから自らを追い込む努力ができる、自らのファンを誇っているからこそ、ファンの前で少し弱音を吐きながらもすごいパフォーマンスをやってのける。そんな思いがあるような気がします。


少なくなったとはいえコロナ禍。半ば追い出されるように会場を後にしなければなりません。余韻も何もない中で、帰りの車の中、しきりにいいライブだった、トシちゃんはすごいと言い続ける、にわかファンをファンにしてしまうすごみ。とても残念なことは車の中でSpotifyには2017年のフェミニスト以降の最新シングルしか配信されておらず、以前の曲を聞くことができないこと。
個人的に好きな「ひとりぼっちにしないから」とか「ヒマワリ」とか、ちょっと聞きたいなぁと思っても叶わぬ夢(一応PC内のライブラリにはあるが、それを車で聞くのがまぁ面倒なのだ)

これは田原俊彦さんだけの問題ではないので解決には時間がかかるかもしれませんが、過去の楽曲の配信は是非検討して欲しいと思うのです。

そして私は、彼らの背中に、改めて惚れ直したのです。
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