2021/11/21
歌謡曲が好き
ゆうゆ
岩井由紀子
80年代歌謡曲
楽曲紹介
ゆうゆ(岩井由紀子)さんのアルバム「いやっ!」を聞く
目次
- 1 ハートブレイクはお早めに
- 2 へへへのへ
- 3 アラジンの魔法ビン
- 4 黄昏のラインダンス
- 5 メトロポリス・ハネムーン
- 6 25セントの満月
- 7 せつないわけの朝寝坊
- 8 お待ちかねのAカップ
- 9 Panic'n Roll
- 10 マグネット・マジック
- ゆうゆ「いやっ!」Spotifyプレイリスト
ちょっと遠出した車の中で、ふと流れた曲が、あれ?意外といいじゃん。この声とかいい!って思った方が、おニャン子クラブで「ゆうゆ」として親しまれた会員番号19番岩井由紀子さん。
彼女はおニャン子クラブのメンバーの中では背が低く、童顔ではありますが、歌う声は身長に似合わず少し低めで、その少し鼻にかった声が魅力的であります。
今回、たまたま流れてきたのが「ハートブレイクはお早めに」で、あれ、この曲ゆうゆ?と思って、アルバムを検索したわけです。そうすると1987年12月16日発売のアルバム「いやっ!」の曲なはずですが、そのアルバムが配信されていません。ただ、2004年に発売された「うしろゆびさされ組 うたの大百科 その3 ゆうゆ」このCD内に曲はすべて揃っていますので、曲順をまとめたプレイリストを作成しました。アルバムはレコードとしてはポニーキャニオンからC28A0615で、カセットテープ、12cmCDでも発売されていますが、残念ながら手に取ったことのないアルバムでありました。
ゆうゆのファーストアルバム「ゆうゆ光線」は配信もされておりレコード、カセット、CD併せて8万枚以上を売り上げオリコン1位も獲得、しかしながら、その5ヶ月後に発売された本作は最高位11位、3万4000枚程度となります。その後も2枚計4枚のアルバムを出しますが、残念ながらヒットには恵まれないことになります。とはいえご本人はバラエティ番組などに活路を見いだし、よくテレビで見かけた印象はあります。1997年にご結婚し、引退しています。
おニャン子クラブ出身ということもあって、あまり歌に力が入っていなかったかもしれませんが、今聞くと奇抜だったり、面白い曲を歌っており、また、その声には今のアイドルに見られない特徴もあり、今聞くと意外と心地よく感じがいたします。
では、このアルバムを通しで聴いてみましょう。
1 ハートブレイクはお早めに
作詞:秋元康・作曲:後藤次利・編曲:後藤次利
アルバムの1曲目がこの感じだったんですね。おニャン子曲の定番のお二人の作ではありますが、アルバムの最初の曲に別れを持ってきました。
もう別れを覚悟している彼女を呼び出す、そして夏を楽しんだ場所に呼び出した上に別れを告げる。しかし、彼女は明るく、そして「次の用意」と強がります。ファンが思っているゆうゆは少しだけ性悪な女性で、いつも笑顔で優しくなんて思っていないというのが見えるのかもしれません。
でも、それがファンのMっ気をくすぐるのでしょう。
2 へへへのへ
作詞:遠藤察男・作曲:長沢ヒロ・編曲:西平彰
遠藤察男さんは脚本家の方ですね、長沢ヒロさんもアイドル歌謡の作曲によくお見かけするお名前です。
「やるわよ絶対今日こそは、大逆転よ!」という台詞から始まるのが面白いですねぇ。片思いの彼に玉砕した思い出をクラス会で挽回する気持ちを掛け合いの形で歌うのが新しいというか楽しいです。
ここでもゆうゆの性格的な感じを表に出しています。「らしい」感じが見えます。実際はどのような方かはわからないわけですが、きっとファンが思うゆうゆは少し意地悪しながらへへへのへと笑顔を出して、そのギャップで落とす感じがあるのですね。
3 アラジンの魔法ビン
作詞:秋元康・作曲:後藤次利・編曲:後藤次利
アイドル楽曲にたまにある遠い国のお姫様が「ゆうゆ」という設定です。「今の若さと美貌を永遠に」と願うのも、これ、らしい感じを見ます。小泉今日子さんが「なんてったってアイドル」で歌う年なんか取りたくないって感じですね。
そして「魔法のランプ」は品切れで「魔法ビン」があったというのが秋元康さんマジックでしょうか。これ、湯気しか出ないんだから「魔法瓶」ですよね。このあたりのおっちょこちょいさも加味した感じなのでしょうか。それともゆうゆさん、若干スタッフに嫌われてません?
4 黄昏のラインダンス
作詞:及川眠子・作曲:山本寛太郎・編曲:西平彰
またまたお別れの曲です。Winkの「淋しい熱帯魚」作詞前(と思われる)及川眠子さんの作詞です。山本寛太郎さんの作曲はあまり見たことがないです。水谷真理さんのアルバムで見たくらいですが、らしい感じの曲に仕上がっていると思います。
個人的にはすごく好きなタイプの曲です。そして、ここでもヒロインになりたいゆうゆさんの「あなたの人生の脇役にしないでね」というのは、なかなかクる歌詞です。
5 メトロポリス・ハネムーン
作詞:及川眠子・作曲:小森田実・編曲:後藤次利
あれ~、これいいじゃん!って感じのA面最後の曲です。元気なゆうゆのイメージから、すこしメロウに、そして歌い方も全く違う。これは大発見な気がいたします。シンガーゆうゆとして、新しい面を見せてくれる曲、やっぱりアルバムって聞いてみるもんですね。最後に落とすのも、アイドルのアルバムっぽくていい!
6 25セントの満月
作詞:秋元康・作曲:鶴久政治・編曲:西平彰
スカですねぇ。今聞くと、この曲スカじゃないですか。3枚目のシングル曲をアルバムB面の最初に持ってきました。お月様で終わってお月様で始まるのも意味があるのかもしれません。間奏とっても格好いいです。
作曲はチェッカーズの鶴久政治さん。この曲は少しアレンジして男性が歌っても格好いいと思います。こちらも別れの曲なのですが、強いゆうゆを表します。出演していた夕やけニャンニャンも終わって自身がソロで生きていかなければならない不安もあっただろうと思う中で、インパクトのある曲で、格好いい新しい「ゆうゆ」を見せようという意識はあったと思います。ファンの思いとは少しズレた感じはありますが、当時のアイドルも多様性を持った楽曲を歌っていたんだと大きな声で言える曲ではないでしょうか。
7 せつないわけの朝寝坊
作詞:及川眠子・作曲:小森田実・編曲:西平彰
わぁ。前奏から好みの曲です。彼氏の家に突然訪問するゆうゆさん、前夜どこにいたのかやましい彼氏に目覚まし時計を持ってくるってのがアナログな感じでいい。まだポケベルの時代ですらありませんから、彼がどこにいるのか、連絡が取れないなんて状況を今だとなかなか考えられないんですね。
8 お待ちかねのAカップ
作詞:秋元康・作曲:鶴久政治・編曲:西平彰
25セントの満月のB面曲です。ところで、背が低く、幼く見えたゆうゆさんですが、Aカップではなかったんじゃないかなぁ。意外と胸があったのではないかと思っております。ともかく18歳の新しい恋の曲は、A面同様鶴久正治さんの作曲ですがA面とはずいぶん印象が違います。ワクワク感もあるし、こちらがA面候補だったんじゃないかなぁ。ちょっとベタな感じはしますが。
トムクルーズという歌詞が出てきますが。1986年のトップガンの印象ですよね。先日地上波でやっていましたが、当時の最も格好いい男でございます。こういう時代背景なんかも見え隠れしますね。
9 Panic'n Roll
作詞:井辺清・作曲:後藤次利・編曲:後藤次利
作詞の井辺清さんはSHOGUNに1曲書いてらっしゃる方でしょうか、あまりお見かけしない名前であります。
私、先に歌詞読んでから曲聴くことが多いんですが、最初歌詞読んでどんな「おどろおどろしい」曲なのかと思ったら、あれま、全然アイドル曲。でも歌詞は「愛がコケたらみんなコケる」「愛に糸目はつけません」だから、結構深いですよ。これ、ゆうゆさんやらかしちゃったって設定ですよねぇ。曲調に騙されてはいけませんが、最初っから「マジな怒り声」で怒られてるのに、てへへって感じになってるように見えちゃうんですよね。
10 マグネット・マジック
作詞:秋元康・作曲:後藤次利・編曲:後藤次利
ライブの最後に歌いそうな曲をいつもの2人が用意しました。ファンに対する思いも含めたこのような曲を用意するのはきっと秋元さんのやさしさなのではないかと思うのです。アルバムの中に起承転結を作るときに、最後になる曲をきっちり提供しているだけでも、アルバム全体が締まってきます。決して手を抜いて作っていないのがこのような曲でわかるような気がいたします。
ゆうゆ「いやっ!」Spotifyプレイリスト
当サイト管理者がアルバム「いやっ!」のプレイリストを作成しましたので、よろしければご活用ください。