2022/03/18 歌謡曲が好き 80年代歌謡曲 楽曲紹介 中村雅俊 堀江淳

1981年の楽曲「心の色」と「ルージュ」



またも当サイトを朝から開けてみますと1982(昭和57)年3月11日のザ・ベストテンでは中村雅俊さんの「心の色」が1位を獲得されています。
この楽曲、その後5週にわたって1位を獲得し、1982年4月15日のザ・ベストテンでサザンオールスターズの「チャコの海岸物語」に1位を奪われることになります。しかし、このときの共演が元となってこの年の秋「恋人も濡れる街角」を発売することになります。

さて、この「心の色」発売は1981年11月25日で、初動としては特に目立った売上を上げることができない楽曲でした。1981年11月から放送されたドラマ「われら動物家族」の挿入歌として使われた楽曲で、このドラマの主演が中村雅俊さん。独身の動物園職員が兄の死でその子供7人を育てるという動物+子供というドラマとしてはキラーコンテンツという感じだったと記憶しています。

youtubeに番組の番宣部分がありましたので紹介します。(あくまで違法的な動画ですので取り扱いは注意を)

さて、このドラマの主題歌は堀江淳さんの「ルージュ」でした。作詞作曲は堀江淳さん、編曲は船山基紀さんであります。

「ルージュ」堀江淳
発売日:1981年9月21日
オリコン最高位:47位
ザ・ベストテン最高位:-位
売上枚数:2.7万枚
レーベル:CBS・ソニー
レコード番号:07SH-1050

A面:ルージュ
作詞:堀江淳
作曲:堀江淳
編曲:船山基紀
歌唱:堀江淳

B面:セーラ
作詞:堀江淳
作曲:堀江淳
編曲:飛澤宏元
歌唱:堀江淳

セーラ
堀江 淳
2004/8/4

1981年9月は、デビュー曲で本人の代表曲である「メモリーグラス」がヒットしている最中であります。ザ・ベストテンには1981年9月24日まで10位以内にランクイン、ザ・トップテンに至っては10月19日までランクインしているわけです。

で、「ルージュ」。いい曲なのであります。堀江淳さんっぽい、夜の女性的であります。「今日であなたとお別れ」から出だし、「せめて想い出だけは、きれいな化粧をさせてよ」というサビ。うん。動物園の飼育員が7人の子供を育てるドラマと随分かけ離れた内容ではないか?と思うのですよ。

このあたり、何故このドラマの主題歌としてチョイスされたのか、TBSの関係者はどう思ってられたのかがよくわからないところではありますが、このドラマ、8話から主題歌が「心の色」に変更になってしまうのであります。「ルージュ」!「ルージュ」はどこに行ってしまったの?結局8話以降この曲はドラマでは流れなくなってしまったのであります。
とはいえ、「心の色」がテーマソングとしてふさわしかったかどうか?と言われればまた別な感覚があります。

「心の色」 中村雅俊
発売日:1981年11月25日
オリコン最高位:1位
オリコン年間チャート1982年 4位
ザ・ベストテン最高位:1位
ザ・ベストテン年間チャート1982年 4位
売上枚数:69.7万枚
レーベル:日本コロムビア
レコード番号:AH-145

A面:心の色
作詞:大津あきら
作曲:木森敏之
編曲:川村栄二
歌唱:中村雅俊

B面:さらば涙・・・風の彼方に
作詞:大津あきら
作曲:鈴木キサブロー
編曲:川村栄二
歌唱:中村雅俊

心の色
中村雅俊
1981/11/25


さらば涙…風の彼方に (Single Version)
中村雅俊
1981/11/25

こちらは「受話器の向こうから聞こえる涙声」からはじまります。こちらは別れを決めた「黄色いツバメ」のような(密かに好きな)女性との会話であります。この曲、ちょっとギミックが多いというか、わかりにくい楽曲な気がするのであります。多分サビはみんなが知っている「昇るサンライズ~」で、さらに畳みかけるように同じフレーズで歌詞が続く、そう思うとサビの部分は覚えやすいけど、実際カラオケで歌うとちゃんと歌えない。そんな楽曲のような気がします。

毎週ドラマの最後に聞いていると、ドラマ自体の内容と(直接的に歌詞は合わなくても)どこか希望を感じながら、ドラマ自体の展開もハラハラしながら記憶の底に溜まっていって、何度も聞いていると鼻歌で出てくる、これ、浸透に時間がかかる楽曲だったのではないかとおもうのです。

結果翌年1982年になって主題歌が変更になった、ドラマが中盤で盛り上がっていったタイミングで売れ出して、ドラマが終了する1982年3月にかけて(この当時のドラマは約半年放送されるのが常で「われら動物家族」も19話のドラマであります)じわじわヒットとなった、そしてそれが長く続いたという曲になりました。

楽曲の巡り合わせというのは不思議なもので、堀江淳さんが2枚目のシングルとしてシングルカットしたバラード曲「ルージュ」をセカンドシングルにしていなかったら、そのあたりはわかりません。でも、何が凄いって「一発屋」なんて言われながらも今に至るまで活動を続けて楽曲をリリースされ続けていることであります。時に自虐しながらも活動されていること。これは誰でもができることではなく、才能を継続的に発揮できなければそれは難しいことなのだと思います。

そしてデビュー曲の「ふれあい」そしてドラマのヒットもあった「俺たちの旅」から後はなかなかヒット曲に恵まれなかった中村雅俊さんもこのドラマと曲でデビュー当時存在しなかったランキング番組への出演を果たします。
そしてそこで1位を争った桑田佳祐さんに再度曲を提供され、それがヒットすることになります。

1980年に桑田佳祐さんが中村雅俊さんに提供した「マーマレードの朝」

マーマレードの朝
中村雅俊
1980/9/1

これはこれで桑田佳祐さんらしい、オーイエィ!って言う中村雅俊さんに注目な曲なのですが、残念ながらヒットすることは無く、オリコンの記録にも入っていないという楽曲です。そして、もう一曲桑田佳祐さんが書いてヒットしたのが「恋人も濡れる街角」です。

恋人も濡れる街角
中村雅俊
1982/9/1

中村雅俊さんも「シンガー」として毎年のように楽曲を発表、そしてライブ活動も積極的に行っていること。こちらも活動を続けるということが素晴らしいことだとも思うのです。

昨年の日刊スポーツの記事、中村雅俊さんが真摯に楽曲に向き合って、音楽業も俳優業もこなされているというのがわかろうものです。(いつまでリンクが残るかわかりませんが紹介します。)

デビュー48年目中村雅俊、全国ツアーで初のフルオーケストラと共演
2021年06月10日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202106100000021.html


“歌う青春スター”中村雅俊がやり残した夢「もう1回」70歳の新たな挑戦
2021年06月14日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202106130000830.html


中村雅俊、慶大4年時に文学座の研究生を受験「親友は寝坊して来なかった」
2021年07月07日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107060000533.html


中村雅俊、難産だった『心の色』ヒットに感激「宣伝マンが本当に頑張って」
2021年07月14日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107130001003.html


中村雅俊、「恋人も濡れる街角」は「売らなきゃなっていう意気込みあった」
2021年07月18日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107160001785.html


中村雅俊「なかなか体験できない」フルオーケストラをバックに新しい挑戦
2021年07月21日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107210000128.html


中村雅俊「ジムに行ったり」年重ねても体力づくり余念ない
2021年07月25日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107230001160.html


中村雅俊「英語をもっと勉強したい」米国のオーディションにも意欲?
2021年07月28日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107280000505.html


中村雅俊「10年はガッツリと」震災で大きな被害あった故郷を歌で支援
2021年08月01日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202108010000053.html

70歳を迎えて新しいチャレンジにあふれる中村雅俊さん、こんな「大人」になれたらなぁってちょっと思ってしまう。

そして堀江淳さんも2013年に西田敏行さん作詞で本人作曲の「花ひとつ 夢ひとつ」を発表。西田敏行さんが他の方に楽曲提供するのははじめてで、大きな話題にはならないでも、このような活動がなされている。活動を続けて行けている。これが大事な、素晴らしいことなのだと思うのです。

花ひとつ 夢ひとつ
堀江 淳
2013/4/3


ルージュ
堀江 淳
1981/7/21

新:楽曲から「春」を感じてみたい
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https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=1334
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