2022/08/09 歌謡曲が好き 岩崎宏美 80年代歌謡曲 楽曲紹介

広島で「すみれ色の涙」が演奏された8月6日



ザ・ベストテンでは、時事問題に触れることもありました。1981年8月6日は木曜日、この日は広島原爆の日になります。
7月2日にベストテン初登場したこの曲ですが、発売は6月5日で、売上もそれほど極端な形ではありませんでした。はがきでのリクエストもランク外で下位にランクインされていました。

しかし、テレビの影響が凄いのはザ・ベストテン、そしてザ・トップテンで7月以降毎週のようにランクインしますとはがきリクエストが増えてきます。8月6日のこの週ははがきランキングも7位を獲得、ラジオも5位を獲得し確実なヒットとなります。

「すみれ色の涙」岩崎宏美
発売日:1981年6月5日
オリコン最高位:6位
オリコン年間チャート:1981年 45位
ザ・ベストテン最高位:4位
ザ・ベストテン年間チャート:1981年 28位
売上枚数:31.7万枚
レーベル:ビクター
レコード番号:SV-7124

A面:すみれ色の涙
作詞:万里村ゆき子
作曲:小田啓義
編曲:萩田光雄
歌唱:岩崎宏美

B面:ひまわり
作詞:竜真知子
作曲:松任谷正隆
編曲:松任谷正隆
歌唱:岩崎宏美

ひまわり
岩崎宏美
2007/4/11

曲はマイナーですが、小田啓義氏(ブルー・コメッツ)ですね。そう、ブルー・コメッツですよ。この曲、ジャッキー吉川とブルー・コメッツの1968年の楽曲「こころの虹」のB面曲であります。

「こころの虹/すみれ色の涙」ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
発売日:1968年1月25日
オリコン最高位:5位
オリコン年間チャート:1968年 36位
売上枚数:27.6万枚
レーベル:日本コロムビア
レコード番号:LL-10046

1:こころの虹
作詞:橋本淳
作曲:井上忠夫
編曲:井上忠夫
歌唱:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

2:すみれ色の涙
作詞:万理村ゆき子
作曲:小田啓義
編曲:森岡賢一郎
歌唱:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

この「すみれ色の涙」はアルバム曲だった「すみれ色の瞳」のアンサーソングということで、すみれ色の瞳も聞いてみましょう。

作詞の片桐和子さんは作詞家のほか翻訳家としても活躍された方。小沢深雪さんの「さすらいの唄」などの作詞をされています。必殺仕置人のイメージですね。

60年代は反戦歌です。この曲も戦士が戦争が終わった後に結婚することを誓う、そしてたとえ帰ってこなくても見守ってあげよう、そして「見つめていて欲しい」のです。

そこから「すみれ色の涙」の歌詞をもう一度読み取りますと


 淋しかったから あなたを愛して
 淋しかったから あなたを憎んだ
 淋しかったから あなたにさよならを

アンサーソングとして考えると、また違う解釈ができようものです。1番と2番で繰り返されるフレーズ。あくまでも、これは恋愛感情で単なる寂しい、好き嫌いという意味合いではなかったと解釈しましょう。実際曲を聴いた時はよくわからなかった。でも、大人になって、それが望む別れでは無かったとするならば。どう考えるのか?


岩崎宏美さんは1981年の世で、この曲をどう想いを込めて歌っていたのか。7月に入り睡眠時間も取れないという忙しい中、この曲を毎日のように歌っていた岩崎宏美さん。そして8月6日、広島でこの曲を披露します。

Wikipediaでも中継局のRCCが断った話などが聞かれると思いますし、現実にそのような日に5分程度の中継のためにスタッフを動員するのが難しかったというのはあろうかと思います。しかし、それ以前に1981年はまだ終戦から36年、戦争を経験し、実際に被災した人がまだまだたくさんおられた中で、音楽番組が広島でまさにこの原爆投下の日に歌番組の中継を行うのか?疑問に思った人は少なくなかったでありましょう。

テレビ番組表を見れば、民放も含めセンシティブな話題であったことがわかります。バラエティとは一線を置いていた。バラエティ的なモノでは扱わせないぞという意識があるし、まだ特集は組まれる。

戦後77年の今年、歌番組の壊滅した中、報道番組、ドキュメンタリー番組で広島を扱った番組がどれだけあったでしょうか。テレビ局の上層部にも戦争経験者はいない今、改めて、広島で歌番組を中継したザ・ベストテンがどういう立ち位置だったのか、そして何を伝えたかったのか。

すみれ色の涙
岩崎宏美
2005/9/22

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