2023/09/04 歌謡曲が好き 郷ひろみ ライブ鑑賞

郷ひろみさんのコンサート「NEW INTENTIONS」に行ってきました


目次
  1. 「NEW INTENTIONS」の意味
  2. 舞台演出とパフォーマンスに驚き
  3. 「誰もが知っている曲」だけではない魅力
  4. エンターテイナーとして楽しませる楽曲
  5. 様々なバラード曲を歌えるから明るい曲が響く
  6. 郷ひろみさん再履修!

今回機会をいただき2023年9月3日に行われました「Hiromi Go Concert Tour 2023 NEW INTENTIONS」札幌文化芸術劇場hitaru公演を見ることができました。

郷ひろみさんのコンサート視聴は初めての経験。テレビで歌う姿こそ何度も拝見させていただいていますが、ライブがどのような感じなのかはちょっと想像できない感じでした。しかしながらライブが素晴らしいという噂はかねがね聞いておりました。

札幌文化芸術劇場hitaruは最大客席数2,302席、札幌市の中心部で地下鉄大通駅から直結している「さっぽろ創生スクエア」内にございます。2018年の開館で既に5年経っているのですが、こちらのホールにお邪魔するのも初めての経験です。この大きな箱が満席とのことですからデビューから51年を経過する郷ひろみさんが今でも高い人気を誇っていることがわかろうというものです。

札幌では2020年に閉館した厚生年金会館(ニトリ文化ホール)が約2,300席であり、これが閉鎖された後は屋内ホールとしては札幌文化芸術劇場hitaruが札幌最大規模となります。Zepp SAPPOROがスタンディングで約2,000人、札幌市民ホール(カナモトホール)が約1,500席、用途は若干異なりますが札幌コンサートホールKitara・大ホールが約2,000席となります。これより大きな会場は1万人規模の北海きたえーる、2万人規模の真駒内セキスイハイムスタジアムや4万人規模の札幌ドームになりますので、中規模のコンサート会場の不足という面はありましょうね。
(そういえば2,500席規模なはずの札幌コンベンションセンター大ホールのコンサートってあまり聞いたことがないですね)

前置きが長くなりましたが、早速会場に向かいましょう。今日は30代の歌謡曲好きの方と一緒に見ております。昨年も参加されたとのことで素晴らしかった、今年もまた見たいという希望でありました。そこまで若い方も引きつける郷ひろみさんの魅力というのも気になります。


「NEW INTENTIONS」の意味

郷ひろみさんは今回のコンサートツアーに「NEW INTENTIONS」という言葉を使いました。直訳すると新たな目標ということになりましょうか。ご本人もMCで語りますが、1972年のデビューから50年を経過して、その50年は20年30年40年45年とも違う、51年目からの新たな先を目指すのだという意欲に溢れていることがわかります。

昨年デビュー50周年を迎えられた郷ひろみさんは「Hiromi Go 50th Anniversary Celebration Tour 2022~Keep Singing~」というタイトルで全国ツアーを回られました。「Keep Singing」直訳すれば「歌い続ける」という明確な意思を表しています。2022年10月16日に札幌で行われたライブも非常にエネルギッシュで格好良かったと聴いております。

「新たな目標」に進む郷ひろみさんを今回目撃できたことは幸せなことでした。彼よりはずっと若いのにしょぼくれたおっさんに化している私にも新たな刺激を、そしてもう一歩頑張ろうという鼓舞にも聞こえたのです。

そして、当サイト管理者は今回ツアーグッズとしてタオルを購入しましたが、見ての通り、ヨットでありますが船出です。ファンも「乗組員」として郷ひろみさんとともに新しい未来に進んでいくという気持ちが込められているのではないかとも思うのです。ファンあってのアーティスト、アーティストあってのファン。一心同体です。


舞台演出とパフォーマンスに驚き

詳しいライブレポートは多分他でも多く紹介されているかと思いますが、プロジェクションマッピング技術を使った映像で見せるところ、そしてステージ上に設けられた円形のセットで見せるドラマ的な演出の静と動、新と旧、一曲一曲が次はどんな演出をするのだろう?というわくわく感がものすごく感じられます。

プロジェクションマッピングは画像を投影される舞台装置と投影する側のセッティングを緻密に行う必要があると思われます。その会場会場一つ一つ寸法なども異なるわけですから、それだけでも一定の規模、観客数が期待できなければできない演出とも言えます。
惜しみなくそれを使い、アナログな回転するセットを縦横無尽に走り回る郷ひろみさんはとても還暦をとっくに過ぎた方とは思えない熱量です。そしてバンドのみなさんの素晴らしさ。生バンドで生演奏だった地上波歌謡番組全盛時代を生きてきた郷ひろみさんが、当然それにもこだわった演出やアレンジを行うというのも納得ですし。だからこそ見ていても引き込まれる。次は何があるんだろう、その次に何が起こるんだろうとわくわくしていく。気がついたらライブが終わってしまっている。そんな時間。

俺は最高!!!
郷 ひろみ
2023/6/7 1687336430

「誰もが知っている曲」だけではない魅力

1970年代のアイドル的人気を誇っていた時代からヒット曲を連発していた郷ひろみさん。80年代、90年代とみんなが知っている曲で盛り上げることができます。2000年代も出す曲が必ずチャートインしている。あえて盛り上がれるヒット曲だけではない。聴かせるバラードを持ってきます。その一曲一曲が目の前のファンを、いえ、一人一人に語りかけるように感じるのです。
席は遠く、豆粒とはいわないまでも老眼が少し進んだ私にはぼやけた姿に見えています。でも、その表情は優しく、まるで目の前にいるかの如く私にも語りかけてくるような。
それは幼少の頃テレビの前で見たヒットスタジオなどの歌番組で見る郷ひろみさんの姿そのもの。いつも笑顔で、そして実績に裏打ちされた歌唱力は実際に聞いてみて初めてわかる繊細さを備えています。若干喉はお辛そうでしたが、そんな自身の体調に合わせて聞かせることもできるのは長年ステージを続けてきた賜とも思うのです。

今年6月に発表された108枚目となるシングル「俺は最高!!!」自分で最高!っていうの?と思ったら負けです。最高なんです。いえ、ちゃんと歌詞を読めばわかります。イナズマ戦隊の上中丈弥さんの作詞。数え歌になっています。
いつも明るく輝いているように見える郷ひろみさんとて時には挫折感に苦しむことも、多分年齢からいろんな事が難しくなることを感じることもきっとあるのだと思うのです。しかし、それを時に空元気だったり作り笑顔だったりで乗り越えていかなければならないことは誰しもあります。少し背中を押してくれる、そんな歌詞が良いじゃないですか。

そして皆が知っている往年のヒット曲でみんなが笑顔で手を振って、ああ、今日楽しかったなって笑顔で帰宅できる。そんなコンサートきっとあまり多くは無いはずなんです。

人生シャバダバダー
郷 ひろみ
2023/6/7 1687336430

エンターテイナーとして楽しませる楽曲

108枚目となるシングル「俺は最高!!!」のカップリングは「人生シャバダバダー」という若干人を食ったようなタイトルを持ってきました。MCではゲームの「太鼓の達人」のようなとしていますが、この楽曲も面白いのです。

この曲、実際に歌うとすごく難しいと思うのです。作曲の日比野裕史さんは編曲者としてもご活躍されておりジャニーズアイドルやとんねるずの「矢島美容室」で「ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-」とかお見かけするお名前。こちらも歌詞が鼓舞してくれます。

このような少しおちゃらけた雰囲気の楽曲をバンドメンバーも含めて楽しそうにパフォーマンスして、さらに会場を一体にさせていく。これがエンターテイナーというものを見せてくれます。

言えないよ
郷 ひろみ
1994/5/1 1575899111

様々なバラード曲を歌えるから明るい曲が響く

MCがちょっとおっちょこちょいな一面を見せて、バラード曲の説明がぐだぐだになって観客を笑わせるのも、それもまた魅力の一つ。そしてそこから歌われるラブソングの「少し大人」に刺さる歌詞が胸を揺さぶります。
「言えないよ」という楽曲は1993年からの「バラード3部作」の2作目(「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」、「言えないよ」、「逢いたくてしかたない」)この曲だけ歌詞を見せる演出で、これが誰しも心の中にある、好きな人に好きと言えなかった過去を思い出させて、そして、それを感情的に歌い上げます。

そこから一転しての激しいステージがまた場内の(そこそこ年齢層の高い)観客が総立ちになって拳を突き上げ、時にはジャンプまでする。いやぁ若い!若いよみんな!
私は手を上げて振る動作は間違いなく肩にきて、翌日の仕事に差し障るので、あまりそれを行わないのですが、今回は自然と手を上げ振っている自分がいます。

昨年リリースの「ジャンケンポンGO!!」も盛り上がる楽曲です。郷ひろみさんだからできるパフォーマンス、楽曲でもあるんだと思うんです。

ジャンケンポンGO!!
郷 ひろみ
2022/7/13 1632409579


郷ひろみさん再履修!
70年代から80年代90年代をメインとしている当サイトに最も合致していると言っていい郷ひろみさん。歌謡曲ファンとしていやいや知らない楽曲がまだまだたくさんあるぞ、そして新しいアレンジで聴かせる楽曲はオリジナルが聞きたくなる。また再履修しなければならないアーティストさんが増えました。

一曲動画撮影可能でSNS投稿もできるとした未発表楽曲「スーパーヒーロー」(上の写真はこのときに撮影したもの)こちらもちょっと目頭が熱くなる。身近な人の助けがあって、周りの人がヒーローだったからこそ自分が生きていける、輝いていける。この曲を撮影可能にしているのは何か別なメッセージがあるのかもしれません。2000人の人がスマホを向けて、そしてライブ終了後に一斉にSNSに投稿される様子を見て、新しいことに寛容で、やはり次の時代に進んでいくという気概も感じるのです。老け込んでいられるか!年齢なんか関係ないんだ!

格好良かった!楽しかった!隣で目をキラキラさせていて、また絶対行くんだ!って言わしめる。若い人にも十分に魅力をアピールできている67歳になる郷ひろみさん。本当に年齢というのは何かを諦めるためではないことを実感します。郷ひろみさんに私も元気を貰って帰宅しました。

さて、ご本人も誕生日プレゼントの代わりに是非とおっしゃる夜のヒットスタジオでの出演回を収録した6枚組DVDが発売になります。

『郷ひろみ IN 夜のヒットスタジオ』DVDボックス
>全てのオンエアのうち、1975年7月7日放送から1990年6月20日放送まで全115回の出演回をDVD6枚組・収録時間約10時間もの貴重映像がご覧になれます。
https://www.sonymusic.co.jp/artist/HiromiGo/info/553381

夜のヒットスタジオの特徴的であるオープニングメドレーから曲の前のトークシーンも収録されているとのことで非常に興味深い一品です。

昭和の大スターは令和の今も全く輝きを衰えさせず、そして、いつも私だけのスター。その遠くにいるのに親近感を感じる屈託のない笑顔にみんなを虜にしてしまう。きっと年齢を重ねても紅白のトップバッターで駆け回り元気でいてくれると信じています。

楽しい時間をありがとうございました。

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