2018/08/06 歌謡曲が好き ザ・ベストテン

ザ・ベストテン再放送は本当に素晴らしいものだった


目次
  1. ザ・ベストテンの何が素晴らしかったか
  2. 再放送を見ての感想
  3. 今後の再放送は?
  4. 黒柳徹子さんの言葉に涙

先日の記事でもお伝えした、TBSチャンネルでのザ・ベストテン再放送。初回の7月24日は完全に見逃してしまい悔しい思いをしたのですが、8月5日の放送は無事に視聴でき、録画もできました。いやぁ。涙が出るほど素晴らしかったですね。

tbsチャンネル
『ザ・ベストテン(1979年3月15日放送)』
http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/o2145/


当ブログでも

northttblog
祝「ザ・ベストテン」CSチャンネルで再放送
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=337


northttblog
西城秀樹さんの訃報に「ベストテン」を思い出す
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=269

など記事を書いてきているわけですが、いざ不可能と言われ続けていたザ・ベストテンの再放送が行われると、やはり特別な感情がわき上がります。

ザ・ベストテンの何が素晴らしかったか

このようなランキング番組は一応現在も存在しています。しかし、ザ・ベストテンに私を含め特別な感情を抱く方は多くおられるのではないでしょうか。何故、他のランキング番組よりザ・ベストテンが素晴らしかったのか。それは、
「ウソ、偽りがなかった」
ではないかと思うのです。いえ、絶対にランキングにウソが無かったかはわかりませんし、スタッフだけが知るところだとも思います。しかし、番組の冒頭にレコード売上・有線放送リクエスト・ラジオリクエスト・ハガキリクエストの4要素のランキングを発表しますから、その4要素を組み合わせたランキングは「ある程度予想できる」ものでありました。ですので、極端に忖度された「1位」なんかが出てくると、あれ?ランキングおかしくない?とわかりやすいというのがあります。

たとえばレコード売上は「オリコン」「ミュージック・ラボ」「ミュージック・リサーチ」の3社のでーたを使用します。比較的実枚数を意識したオリコンと、ざくっと大きい数字が出てる印象のミュージックリサーチでは順位付けが結構違ったりします。(総発売枚数で倍の差が出ることもある)

有線は「全国有線音楽放送協会」ですからキャンシステム+全国の中小有線局のデータ。TBSで放送された日本有線大賞の元ネタですね。(そういう意味で大阪資本のUSEN社のデータは含まれない)

ラジオはTBSネット局でラジオとテレビを両方放送する局(HBCのような)のランキング番組が入ります。このため「北海道でだけ人気」のような曲が取り上げられる場合もあるわけですし、そこから火がついた楽曲も少なくないわけです。

後にハガキリクエストは「組織票」問題が出るようになり配点比率を下げる旨が公表される事態になります。

ここまで見てわかるとおり、レコード売上だけにとらわれない、地方発信の楽曲や有線が強い演歌なども分け隔て無くランクインできる本当の意味での総合チャートを目指したことがわかるのです。他のランキング番組とそれほど乖離したランキングにならなくても、これに沿った「本当に今流行している曲」のランキングと胸を張って言える、そんなランキングだったと個人的には思うわけです。

そして、番組自体も、出演できない人は出演しない理由を発表、それが1位であっても出演しなければ無理に歌わせないわけです。そういう正直さというのはそれまでの番組ではなかなか無かったのではないでしょうか。

再放送を見ての感想

あのオープニング画面から久米さん、黒柳さんが画面に登場し、すっかりあの頃に戻った気持ちになりました。今回の1979年3月15日放送は年齢的にリアルタイムでは視聴していない回ではありますが、私が最もベストテンを楽しみにしていた82年・83年のテイストとそう大きく差は無く、ふと、小学生の夏休みの夜が帰ってきたわけです。

山口百恵さんも八神純子さんも、奇抜な衣装を着て出てきたツイストの皆さんも世良公則さんも格好良いし、いやぁ。本当に、すごいよ。VTR出演のゴダイゴの皆さん、やっぱりあのパフォーマンスは衝撃で、そして沢田研二さんは格好良すぎて、西城秀樹さんのいい人さ感、ワイルド感、いやぁ、あっという間ですよ。

さて、そんな再放送でも2箇所当時と違うところがありました。4要素のランキング紹介はバックに流れるアーティストさんの許可的にこれは難しそう。(トップテンのオープニング映像も同様に再放送時にカットしてた方がありましたね)
そして甲斐バンドの皆様ですよ。
この日の回、視聴率が30%を越えるわけですが、その理由がテレビに出ないと言い続けた甲斐バンドがついに出演するという。そういう日なわけです。NHK-FMのスタジオライブを行っているスタジオに中継が入り、片手にグラスを持ち、TBSのヤツらがきているけどよぉ!なんていいながら。しかし、歌うと凄かった・・・
この部分がまるっとカットされています。これはまぁ、事情があるんでしょうし、TBSにしても甲斐よしひろさんにとっても当時も反響が大きすぎて大変だったということもありそう。(まぁ、この回、普通にyoutubeで見れたんですよねぇ)

しかし、この2箇所以外は、頭からお尻まで、一部のテロップが出ない(多分CM前のテロップとかと本編のテロップは違うのでしょうね)放送できたこと、それが素晴らしい。

今後の再放送は?

放送終了後にネットの意見をいくつかチェックしてみましたが、概ね好意的に書かれていてよかったなとも思いますが、CSじゃ見れない、BSや地上波でやるべきだみたいな意見もあって、まぁ、そうなればうれしいんだけど、TBSにとってこれを放送したことで得られるメリットがないとやっぱり放送できないってのはありますよね。各方面と交渉し、放送内容をつぶさにチェックし、本編とは特段関係なくても今の時代一部モザイクを入れなければならない場所があったり、それなりに手間を掛けています。
再放送したことに対して有料放送の契約者の増加という目に見えた効果があってこそ「次」があるんじゃないかと思うんですね。仮に地上波で今のCMが流れるのもまた違和感だし、裏被りなどの制約を受ける可能性などいろいろ考えればハードルが高いわけで、CSだと柔軟にできるということでもあります。

今回、加入者が増え、TBSチャンネルへの意見が届くならば、もしかすると今度は80年代、たとえば1983年2月24日のザ・ベストテンは西城秀樹さんがギャランドゥで初登場し、野口五郎さんがスポットライトで歌う日ですし、森進一さん佳山明生さん大川栄策さんなど演歌勢も出演。なかなかバラエティに富んだ日なんですが、こういう回を再放送できるんじゃないかとも思うんです。西城秀樹さん追悼という題目だけでなくても本当に忘れた頃、極端に言えば2ヶ月に1本の割ならTBSチャンネルからもうベストテンファンは解約することはないでしょうからね。

黒柳徹子さんの言葉に涙

本編終了後に黒柳さんが語ったベストテン、そして西城秀樹さんへの言葉にはぐっとくるものがありました。
この言葉を聞くだけでも、この番組を見てよかった。そして黒柳さんの真摯な番組に対する熱意が視聴者へも伝わっていたんだろうなとも思うのです。最も嘘偽りが無かったのは黒柳さんだったのでは?とも思うのです。



(2020年6月12日追記)
2020年版祝「ザ・ベストテン」CSチャンネルで再放送
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=1258
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