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バニラビーンズの解散商法に思う日本の音楽界の闇


2015/11/24  バニラビーンズ 2000年代歌謡曲


毎週末はうちのパートナー様とアイドル番組を見るというのが定番になって数ヶ月。
21日深夜のCSスペシャプラス アイドルソングランキングで今週も新しい発見をしました。

バニラビーンズというアイドルグループの「女はそれを我慢しない」という曲です。あら、いいじゃない!って感じの格好いい曲ですね。作曲の松井寛さんは編曲でよくお見かけする名前ですね。MISIAの「つつみ込むように…」とかが代表曲でしょうか。作詞の岩城由美さんもCM曲とかでよくお見かけする名前です。

彼女たちはNegiccoと同時にT-Paletteに移籍(レンタル移籍だったそうだが)したこともあって名前だけは知っていましたが、長身でモデル的なスタイルのあまり他に類を見ない2人組で、もう8年も活動していますし、最初から徳間ジャパンでメジャーデビューしてるのも異色かとは思います。現在の所属はavexです。

さて、本題です。彼女たちが今回リリースした曲は13枚目のシングルとなるようで、avex移籍最初のシングルとなります。移籍初ということは、彼女たちに期待していたからこその移籍なんだろうし、活動を継続するという意味でレコード会社の安定は欠かせないことです。しかし、avex(なのか運営側なのかはわからないが)は彼女たちに次のような条件を突きつけました。

・シングル「女はそれを我慢しない」と来年発売予定のアルバムを合わせて出荷枚数1万5000枚を超えないと解散

というものです。つまりは「解散商法」ですね。今時解散商法をやるとは思えなかったのですが、現実のようです。

古くはポケットビスケッツあたりがオリコン20位に届かなかったら解散とかで煽っていた時代の産物ですよ。これはテレビのバラエティでしたし、認知もされている芸能人が出すCDの枚数で次の活動ができるというものですから、逆にこれが仮に達成されなくてもテレビ的には「おいしい」わけで、どちらに転んでもよかったはずです。昨今ではmisonoさんがアルバム1万枚の目標で引退をかけていましたが、うやむやになって批判されたりもしています。これとてある程度世間認知がある芸能人だからこその批判なわけです。

しかし、バニラビーンズというアイドルグループの世間認知度はどの程度でしょう。ある程度アイドル番組だの見る私ですら「名前を聞いたことがある」程度の認知。過去のシングルのオリコン最高位は23位(2014/6/30きっといい場所)売り上げ枚数でいえばせいぜい3000枚程度となりましょう。この曲は「コップのフチ子」さんの公式ソングであって、多少の上乗せが期待できたもので、直近のシングル「有頂天ガール」はオリコン初週1800枚程度ですよ。

きっといい場所 (フチ)
バニラビーンズ
2014/06/18

有頂天ガール
バニラビーンズ
2014/11/11

そしてだからといって運営が様々な番組に彼女たちを登場させた形跡もない、CS音楽番組ですらそうは目にしない。(先週から今週のテレビ番組表で検索しても彼女たちの出演はBS1番組のみ)youtubeの再生回数は3万回を超えているけど、これは宮沢氷魚さん(THE BOOM宮沢和史さんの長男、モデル)出演の影響もあるかもしれない。

つまりこの解散商法は元々バニラビーンズのファン層に「もっと枚数買え」と迫っているだけのことになります。なんと浅はかな商法であるかとクラクラするわけです。

せっかくですから楽曲を聴いてみてください。曲は素晴らしいと思います(PVの内容が内容なので曲が頭に入りにくいので、できたら最初は映像見ないで聞いてみてほしいなぁ)




個人的に思う解散商法の問題は
・達成しても未達成でも本人もファンも納得できない
・結成8年という段階でわざわざやる意味がわからない
です。

一つ目に関しては達成すれば「はいよかったね」で済むのかということです。営業のノルマで未達成ならクビと宣告するのはまだわかります。しかしCD売り上げ枚数に演者であるバニラビーンズが関与できることがどれほどありましょう?手売りできる範囲は知れていますし、メディア戦略や販売方法はレコード会社なり事務所が責任を持つものです。そして未達なら彼女たちのファンは自責の念にとらわれるわけです。しかし彼らが何枚買って達成したところで世間認知率が上がるわけではありませんので裾野は広がりません。達成したら次回のCDでも同じ事をしていくのでしょうか。
解散商法を繰り返すことで彼女たち自身もファンも疲弊してしまうということです。しかし、一度味をしめてそれなりの売り上げが見込めるなら次回も次々回もとエスカレートする可能性もあります。そんなアーティストに新規のファンはつくのでしょうか?

もう一つはもうベテランの域に達しているようなグループには確実に「固定ファン」がついているはずです。そのファンはちょっとやそっとでは離れないファンです。少ない枚数とはいえ確実に数千枚を売り上げるだけの力が彼らにはあって、結成10年とかきりのいいところまでいければそれなりにいい雰囲気まで持って行けることは明らかです。そのファンに今解散という「ケツたたき」を強いてまで売る理由があるのかということです。売り先が自らのファンというのがアーティスト側はどれほど心苦しいかとも思います。何枚も不要になるCDを買うファンにありがたいという感情だけしかアーティストは持たないでしょうか?そんなことは無いわけですよ。アーティストの心も壊れていく、それをもう長いことこの世界で生きていて非公式には必ず数字の話をされているであろうアーティストにさらに心労を加える必要がどこにあるのでしょう?

解散商法の本質はそのアーティストを知らない、ちょっと興味ある程度のファンが1枚手に取ることで達成されます。ポケットビスケッツやサムシングエルスなどテレビから何万枚や何位で解散となって、ちょっとした有名人見たさにCDを1枚購入する、それが何万枚にもなって達成する。
そのためには現時点である程度の認知度が無いと何の意味も無いのですよ。

今バニラビーンズの解散に興味を示してるのはほぼ従前からのファンと、一部のアイドルオタクと言われる人、そして私のような歌謡曲マニアくらいでしょう。それ以外の人は名前すら知らないアイドルグループが解散しようが興味は無く、CDを手に取らせることもできないでしょう。

CDを手に取らせるのは楽曲とマーケティングとプロモーションだけしか無いんですよ。解散商法したところで誰も得せず、ファンも演者も疲弊することが何の利点なのかさっぱり理解できません。最初から解散商法一発で儲けようと言ったところで、わずか1万5千枚のCD売り上げなど威張れるほどの実績にすらなりませんよ。
(もちろん今の音楽界で1万枚売るのがどれほど大変かは理解してるところですよ。でも、世間一般興味の無い人にはAKBが軽く100万枚売ってる現実から1万枚がすごいとはなかなか思えない)
ただ、今回「出荷枚数」なので、たぶん出来レース的に最終的には出荷しちゃえばいいんだからね。なんか、ファンに対して誠意が無いよなぁと私は思うのです。売り上げ枚数が1万枚でも、各レコード店に1枚ずつ置けば800枚は稼げるわけで、レンタル店を含めれば3000枚は置ける余地があるんだよねぇ。とはいえ、それであっても実際売る枚数は1万枚近くにならなきゃならんわけで、厳しい数字ではあるんだけどね。

結局のところ今はアイドルグループに限らずプロとして「音楽」をやっている人間が多すぎてレコード会社にしても「切れるものから」切っていくのは仕方が無いところ。インディーズでも手売りでも配信限定でも活動はできるわけだから「解散」にこだわる必要なんかどこにもないんだよね。でも、それが音楽業界の闇なんだろうなと思います。売れない売れないと騒ぎながらファンを含めて地下に追いやるわけで、今売れている人で売れない人を下支えする構図はいつかは破綻する可能性も考えなきゃならないんだろうね。

それは「文化」と「数字」のせめぎ合いか。

今回まだ、オリコン10位以内を目指します、武道館で単独コンサートを目指します(Negiccoあたりが昨年今年と頑張ってる目標ですけど)の方が生産性も高いし、純粋に応援する気持ちになると思うんだけどな。達成したらご褒美というやり方は実際には裏では未達成は解散というニュアンスが含まれているとしてもファンは応援しやすいですし、Negiccoがサンシャイン日本海でオリコン11位だったときの演者やファンの気持ちが次作光のシュプールでのオリコン5位達成に繋がるという「ストーリー」付けにも使えるわけで、今のアイドルはももクロにしてもそうですが「ストーリー」が大事なんですよね。そのストーリーがあるから新規のファンが過去の動画を漁ってそのアーティストの「成り立ち」に共感してさらに強固なファンになっていくという、つまり「ハマる」という状態になっていくのだと思うのです。

とはいえ、せっかくの格好いい楽曲を生かして、バニラビーンズには頑張ってもらいたいと思います。せっかくなので過去動画を見ていますが、渋谷系の伏線に触れる楽曲も少なくなく、是非一度触れてみていただきたいと思うのです。

ファンの裾野を広げる。それだけが解散を阻止する唯一の手段だと思うからです。


(追記)
2015年11月30日付けのオリコンシングルチャートでは今週の売り上げは4,518枚の25位でした。
これは週によれば充分20位以内を狙える枚数ではありますし。今までの枚数からしましたら初動で4000枚を超えたのは初めてかと思いますので、かなり頑張った(もちろんファンもね)数字と思います。前回のことを考えると失礼ながら大健闘だと思いますよ。

ちなみにオリコン20位の記録では1994年1月に久宝留理子さんの「男」が5万6000枚近く売り上げて20位という記録がございまして、どれだけCD・レコード媒体が売れなくなっているのかということがうかがえますね。

で、ビルボード総合100位以内に入っていません。ビルボードCD売り上げは35位ですからラジオもツイッターもyoutubeもまだまだ足りないわけですよ。ビルボード総合に入る状況は「世間認知」にかなり関わってきますのでここを目指すのが新規獲得にいいとワタシは思うわけですが。

それにしても、オリコン先行発表は昨日されているはずなのにファンのつぶやきやブログなどでの話が全くというほど無いのはなぜでしょうねぇ。本当に彼女たちのファンって存在するの?ツイッターフォロワーだって万単位でいるのにファンはつぶやかないの?
そもそも「バニラビーンズ 解散」で検索したら1ページ目にこの日記出てくるってどうよ?

ファンは本気で彼女たちの解散を阻止したいって感じてるんだよね?レコード会社か事務所かわからんけどその陰謀に乗せられないって気持ちも多分にあるとは思うけどさ、現実に4000枚以上買い支えたんだよね?出荷枚数8000枚超えてるんだよね?

だったら新規が「ん?」って振り向くのは結局何かしらのメディアに現れるからなんだし、大手メディアがやらないなら草の根でやるしかないじゃん。ファンがそれを怠っちゃダメだと思う。少なくともワタシのこの日記が上位に来るようじゃダメだよ。ワタシはファンじゃ無いんだよ。CD買う層じゃないんだよ。

そういう「名前を聞いたことがある」とか「ちょっと興味持った」って人にもう一押しして「買ってもらう」にはどうしたらいいか、ファンは是非考えてほしいんだ。シングルの出荷が1週間8000枚そこそこで、アルバムが7000枚なんて事あるわけが無いじゃん。もう諦めてるんなら別にかまいはしないけど、折角いい曲なんだし、是非もっともっとその良さを拡散してほしいんだ。

youtubeのコメントだってあんなもんかい?なんでAmazonにレビュー無いんだい?本当にファンは買ったのかい?カスタマーレビューで背中推されて買うって事無いかい?その「宣伝マン」を買って出るだけのファンっていないのかよ。

ワタシはあくまで一歌謡曲ファン。毎週オリコンだのビルボードだのCDTVだのチャートをデータベースに集計してニヤニヤして、楽曲は興味深いものだけ買ってあとはスターデジオで録音して手元に残す人だぜ。どちらかといえば世間一般の方よりはCD買う方の人。その買うリストの中にバニラビーンズを加えるには何か一押し足りないんじゃ無いか?とワタシは思うのですよ。

結局「解散商法」なんてのを正直無名に近いアイドルグループでやるのが間違ってるのは明らかだし、それをなんとか食い止めようとするファンの気持ちもワタシは足りないと思うんだよなぁ。偉そうで悪いけどさ。

バニラビーンズの楽曲はとてもいいと思う。過去の楽曲も含めて埋もれさすには惜しいグループだとワタシは思いますよ。でもそれはワタシ一人が思っても無理じゃん。ワタシは少ないアクセス数だけど書いたぜ、おすすめだって。次は本当のファンの番じゃないのか?

女はそれを我慢しない
バニラビーンズ
2015/11/18

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