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定額音楽配信に乗り遅れる日本の音楽業界
2015/12/01
歌謡曲が好き
Amazon、日本で定額音楽配信 100万曲以上聴き放題
(新聞記事)
定額音楽サービスが雨後の竹の子の如く始まり消えていきました。今回Amazonの開始で大きなところはほぼ日本でサービスを受けられるようになったと思います。
しかし、今年ソニーのMusic Unlimitedがサービスを停止するなど、先々はどうなるかは予断を許しません。クラウド型サービスは基本的に手元には残らないわけで、頑張って作ったプレイリストも折角ダウンロードした楽曲も(基本的にDRMで守られてるからサービスが終わると聞けなくなる可能性が高い)雲が消えるかのように消滅するのです。
それ以前に日本らしい問題がありますね。それは邦楽の弱さです。確かに邦楽は基本的に日本国内で消費される音楽、基本的に海外資本のサービスが多い以上世界的に人気の歌手がまだまだ少ない現状力が入らないのも無理はありません。
しかし、定額サービスの意味は自分が決して買わないであろう楽曲を聴くところにあります。そして額としては少ないでしょうがちゃんと権利者に配分される上「違法ではない」というお墨付きを得て聞くことができるということが大切です。youtubeならともかく、海外のサイトでは当然のように違法アップロードが行われ、そこから不法にダウンロードされた楽曲を聞いている人は少なくないでしょう。
そう思って検索窓に紅白出場歌手あたり入力するとがっかりするわけです。3500万曲そろえたと豪語するgoogle play musicですらこんな案配です。
表記基準は
○-代表曲があり、基本的にアルバム・シングルがそろっていると思われるもの
△-本人のクレジットでは存在しない、または、代表曲でも少しかけてるような気がするもの
×-ほぼそのアーティストの楽曲が存在しないもの
・嵐 ×
なににせよジャニーズ事務所系はたいていのサービスには対応していません。
・E-girls ○
アルバム3枚も含めてたいていありそう
・五木ひろし △
山口洋子作品集として代表曲が存在
・いきものがかり ×
・EXILE ○
・石川さゆり ×
忍たまファミリー・ベストセレクションのみ配信
・X JAPAN △
ソニー時代がなさそう
・今井美樹 ○
多分ほとんどありそう
・関ジャニ∞ ×
・AKB48 ○
ほぼそろっていると思われ
・ゲスの極み乙女。 △
なんかちょっと足りない気がする
・NMB48 ×
AKBのシングルに含まれる数曲だけ
・郷ひろみ ×
無いとは思ってたけどさ。
・大原櫻子 ○
・ゴールデンボンバー ×
・伍代夏子 △
全曲集があるだけ良心的。基本的な曲は聴ける
・近藤真彦 ×
・坂本冬美 ○
ほとんどあるんじゃないか?
・三代目 J Soul Brothers ○
・椎名林檎 ×
・SMAP ×
・島津亜矢 ×
・SEKAI NO OWARI ×
・Superfly ○
・Sexy Zone ×
・高橋真梨子 △
当然に古いものはあまりないのだが
・TOKIO ×
項目すら無い
・天童よしみ ×
・徳永英明 ×
・AAA ○
・BUMP OF CHICKEN ×
・西野カナ ○
・氷川きよし ×
・乃木坂46 ○
・V6 ×
・Perfume ×
・福山雅治 ×
・藤あや子 ×
・星野源 ×
・松田聖子 ○
82年の「Pineapple」がある!
・細川たかし △
ベスト盤が存在
・水森かおり ×
・三山ひろし ×
項目も存在しない
・μ’s ×
・美輪明宏 △
・miwa ○
・森進一 △
・レベッカ ○
△よりだが「POISON」もあるし
・山内惠介 ○
・和田アキ子 △
・ゆず ×
・小林幸子 △
さて、これ見てどう感じますか?日本の一応は権威ある歌番組である紅白歌合戦の出場者52組の半分以上のアーティストが対応していない音楽配信サービスがさて、どの程度受け入れられるのでしょうか?
もちろん権利者の「権利」は大事なことです。しかし、紅白を見て、ああ、このアーティストいいなぁと検索窓に入力した後の絶望感を思うととても人には勧められません。(それでもこれ、SONY系が入ったのでマシになったんだよね。西野カナとかも最近まで未対応だった)
そもそも音楽定額配信サービスは「かじりたい」程度の音楽ファンが、興味のあるアーティストなりを検索するなり提供されるプレイリストから聞くものだと思うのですが、残念ながらそういう需要に応えられていない。普段は洋楽を聴き、ジャズに浸り、ギターに酔いしれる人だって、時にジャニーズアイドルの曲に関心を持ったり、演歌の神髄を見ることもある。でも、それはCD買ってまでのことでは無い。そういう人向けのサービスであってほしいんです。そこで違法動画に行かないようにつなぎ止めてほしいのです。
現在は多分最初の数ヶ月はまぁ、面白いし、興味本位に聞くとは思うけど、長年にわたって続けるかは疑問です。そうなると待つ結果はサービス廃止ですね。
それは日本の音楽業界にも問題があるわけです。今はCDメディアという板でのビジネスからまだ抜けきれないからこそ、こういう音楽配信サービスの微々たる売り上げよりCDを選ぶし、配信サービスがCDを売り上げを減らすという観点があるのだと思います。
しかし、多くのユーザーはCDを買わない以上無料動画での視聴になる。それでは権利者に金は入らないのですよ。興味のある人の入り口にこういう配信サービスをもっと活用できないかと思うのです。
そもそも有線放送などの「放送」と、配信サービスの「通信」で区別するのはナンセンスで、有線放送の定額サービスの「スマホでUSEN」でもジャニーズ楽曲が聴けないなど、なぜそうする必要があるのか理解に苦しみます。
ファンになってくれさえすれば「コレクター」としてCDもDVDも売れ、ライブにも来るであろう潜在顧客を残念ながら排除してるということなんですよね。
大事なのは1円でも金を払って曲を聴く人を増やすこと。今こそ日本の音楽業界はタッグを組んで音楽配信サービスに参入しましょうよ。そして有線大賞ならぬ「配信大賞」を放送してみてくださいよ。それこそ本当の音楽の実力が見えてくるはずです。
少なくとも音楽は金を払わないで聞くものという、CDも買わずライブにも行かない「音楽ファン」から1円でも入れてもらい、より優れたアーティストを育てよりよい音楽を発表させる。それが今の音楽業界に求められることです。
(コメント追記)
もうひとつ、配信サービスだけでなくネットでの楽曲購入にも取り入れてほしいのが「昔の曲」なんですよね。
過去から多数存在する日本歌謡界の多数のコンテンツは、今入手しようとすると非常に困難なわけです。既にマスターテープが失われているなどの理由で再販の可能性も無く、細々と中古で取引されるレコードくらいでしか入手できない楽曲は定額も含め楽曲配信サービスにマッチするサービスと思われます。完璧な音質を求めてるわけではないですからね。
古いファンはその楽曲が聴きたいわけじゃなく、アルバムを含めた全体の雰囲気がほしいわけですからベスト盤じゃ満足できないっていうのもあります。でも、ベスト盤ですら配信されているだけマシなんですよね。
配信での聴取数は多分権利者でわかるはずなので、好評ならCDで再販してもいいわけです。これは年代的にもう少し高額でもいいはずなので、なんとか実現してほしいところですね。もちろん原盤権だの著作隣接権だのわかっていますが、昔の楽曲は埋もれさせるのは惜しいんですよ。