2019/09/10 イモ欽トリオ 80年代歌謡曲 楽曲紹介 歌謡曲が好き

「ハイスクール・ララバイ」の快進撃


1981年の初秋、ある日突然スターになったグループがあります。

「イモ欽トリオ」です。フジテレビ系のバラエティ番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」から登場したグループ。当時萩本欽一さん(欽ちゃん)といえばこの「欽ドン!」が関東圏の最高視聴率38.8%、テレビ朝日の「欽どこ」が最高視聴率42.0%、その後TBSも「週刊欽曜日」で参入。視聴率100%男と言われる大ブームを起こしていたわけです。

フジテレビの月曜9時(21時)といえばドラマという時代の前、この1981年の頃は「欽ドン!」だったわけです。ラジオを起源にした番組でもありますから視聴者からのハガキ投稿による、いわゆる3段落ちがウケていたわけですね。そこに登場するのが3人の息子役「フツオ」「ヨシオ」「ワルオ」です。長江健二さん山口良一さん西山浩司さんの3人が務めていました。

そして、その3人でレコードを作りましたら、これが売れに売れたわけです。

ハイスクール・ララバイは作詞松本隆、作曲、編曲細野晴臣。そうYMOテイストなテクノポップなんですね。ちなみにB面は「欽ドン良い子悪い子普通の子のテーマ」で、番組のテーマソングが入っています。
1981年8月5日に発売になりますと、瞬く間にヒット。オリコンは8月17日付け9位に初登場、翌週から10月5日付けまで連続7週1位、年間チャートも95.8万枚で4位になっています。
そしてTBSザ・ベストテンでは8月20日に18位にランクイン、9月3日には2位に登場。このときの4要素ではレコード1位、ラジオ10位、ハガキ3位、有線ランク外ですから、とかくレコードが売れたってのがわかると思います。
https://www.thursdayonion.jp/bestten.php?rb=0&re_rk=bt&re_ymd=19810903
そして、9月10日にはついに1位を獲得、レコード・ハガキが1位、ラジオが3位、有線も8位という、立派な数字です。10月29日まで8週1位を継続し、ベストテン内には12月3日まで登場し続けるのです。総売上は100万枚を突破します。



欽ドン良い子悪い子普通の子のテーマ
イモ欽トリオ
1995/11/17



ちなみに西城秀樹さんがヤングマンで達成した9999点には惜しくも届きませんでした、最高得点は10月1日の9922点で、当時ハガキの配点が高く、他の要素が1位でもハガキが2位だったことで、未達成でした。惜しかったです。(ちなみにこの日のハガキ1位は田原俊彦悲しみ2ヤングでした)

この番組からレコードが生まれ、そのレコードを聴き、他局であってもランキング番組等に登場し、その結果「欽ドン!」の視聴率もさらに上がるという循環、さらにはザ・ベストテンの1981年9月17日放送回は最高視聴率41.7%を獲得するなど、テレビが生んだ曲は他局も含めたテレビ視聴率にまで影響を及ぼす、いわばメディアミックス型なプロモーションとなったわけです。
その後も欽ドン!からは「よせなべトリオ」が、「欽どこ」からは「わらべ」が、「週刊欽曜日」からは「風見しんご」がデビューしていくことになります。

ただ、2枚目の「ティアドロップ探偵団」は失速、結果的に長江健二さんの脱退、二代目フツオの後藤正加入後の3枚目の「ティーンエイジ・イーグルス」は3万5000枚程度の売上となり、この3枚でシングルレコードのリリースは終了となります。

ティアドロップ探偵団
イモ欽トリオ
2011/5/25


なお、唯一のアルバム「ポテトボーイズNo.1」は松本隆が9曲で作詞を手がけ、作編曲は吉田拓郎、細野晴臣、南こうせつ、井上大輔など豪華な布陣で、なおかつ演奏はムーンライダース。ぽっと出のアイドルアルバムと思ったら驚いちゃうんで、是非聞いてみていただきたい1枚でもあります。90年代にCD化されていますが今は入手困難な1枚ではありますが、iTunes等配信サイトにもあると思います。

ハイスクールララバイ
イモ欽トリオ
1995/11/17

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