「桜」な楽曲
話はずれましたが、そろそろ右翼さんも軍歌からちょっと離れてもいいかもしれません。日本の歌謡曲では、実は「桜」をタブーにしていた時期があります。当サイトで検索しても1970年代、1980年代に「桜」が入るタイトルを歌った歌手は本当に少ない。1980年代だと西村知美さん「サクラが咲いた」くらいではないかな。1990年代まで拡大しても「夜桜お七」とか「桜時雨」など演歌系では若干あるものの、ポップス系は実に1998年の川本真琴さんの「桜」まで無いと言ってもいいでしょう。(残念ながら配信にない)
追記:配信が開始されました。
川本真琴さんはきっと何の気なしに、全く歌詞の内容もそういう意図はなく、「桜」というタイトルをつけたのではないかと思うのですが、それまでは「桜」は軍国主義の象徴として忌憚されてきた面があります。戦後の歌謡曲は「反戦」がキーワードであって、戦争がない平和な世の中を歌いたい。Love&Peaceなんですね。そこに「桜」を入れたくなかった。
2000年代に入ると、大ヒットした福山雅治さんの「桜坂」にWhiteberryの「桜並木道」宇多田ヒカルさんの「SAKURAドロップス」など、急激に桜が入った曲が出てきます。
桜坂
福山 雅治
2000/4/26
桜並木道
Whiteberry
2001/4/11
SAKURAドロップス
宇多田ヒカル
2015/2/4
そして、ついに2003年には森山直太朗さんが「さくら(独唱)」を歌うにあたり、もう桜のタブーは全く払拭されたといっていいでしょう。
さくら(独唱)
森山直太朗
2005/7/1
もちろん、2000年代の「桜」には、軍国主義的なものは全く感じず、むしろ「季節」として、別れや出会いの象徴としての「春」をイメージしてることになります。