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「昭和歌謡」を今の商品CMで使う必要性と「国民的ヒット曲」


2025/07/10  歌謡曲が好き 80年代歌謡曲 CMソング

目次
  1. 最近見かける80年代楽曲を使用したCM
  2. 1980年代は「商品タイアップ」とヒット曲が連動していた
  3. 「国民的ヒット曲」が生まれにくい時代になった理由
    1. 「曲が良い」しかし、知られない時代
    2. SNSや動画配信サイトの功罪
    3. 「全国同時視聴」なテレビから、動画サービスのプレミア公開への試み
    4. 「音楽は好きだけど、流行ってる曲は知らない」
  4. なぜ「あえて古い曲」がCMタイアップされているのか
    1. 断片化した視聴環境
    2. ライセンスが読みやすい&安い
    3. ノスタルジア・マーケティングの台頭
    4. 商品メッセージを曲やアーティストが“食わない”
    5. 決裁権者やメイン視聴者が昭和ど真ん中世代
  5. 今聴きたい、昭和世代に響く2000年代曲1時間
  6. オマケ:師匠の「80年代CMソング夏の選1時間」

最近テレビを見る機会というのが減ってきているといわれています。そうなるとテレビで毎日のように流れていた楽曲というのが少なくなって、テレビからの「楽曲のヒット」というのがなかなか生まれていないなという実感がありますね。

では、最近のテレビCMではどんな楽曲が使われているか?というと、「昭和」な、特に1980年代の楽曲をリメイクしたものが目立っているように感じるのです。また、テレビだけでなくWEB系やYoutubeでも見かけるので、世代を確定しているというものでもないように思えます。

最近見かける80年代楽曲を使用したCM


最近ワタシが見かけた1980年代楽曲を使用したCMをいくつか紹介しましょう。

マクドナルド「I Feel Coke」「待つわ」
2025年7月からオンエアされているのがアニメ『めぞん一刻』『マクロス』『きまぐれオレンジ☆ロード』のシーンも織り交ぜられた、1980年代を思い出す、いわば「あの頃の空気感」が再現された感のあるCMですね。

また、FANTASTICSの中島颯太さん、八木勇征さんを起用したレトロな喫茶店メニューを提供する「喫茶マック」CMにはお二人があみん「待つわ」をカバーしています。


JR九州カード「飾りじゃないのよ涙は」
地域限定があるので当地では見かけないのですが、中森明菜さんの「飾りじゃないのよ涙は」をリメイクしたCMも作成されています。これも今年の3月からでしょうか。


グリコ アイスの実「君は1000%」
アイスの実が1986年に発売開始となったということも掛け合わせたようで、1986オメガトライブの「君は1000%」をリメイクしています。歌唱はアユニ・Dさんです。


サントリーオールフリー「愛の水中花」
松坂慶子さんの「愛の水中花」を林原めぐみさんがリメイクしています。商品が商品だけにコミカルに機能を歌う形になっているのは、曲のイメージとのギャップでインパクトなのかしらね?


公式動画がなくなってしまいましたがバイク王のCMでつるの剛士さんが欧陽菲菲さん「ラブ・イズ・オーヴァー」を歌ってたのも印象にありますね。

このように、ワタシのような50代が聴くとふわっと曲のヒット当時の雰囲気が頭をよぎります。とはいえ、商品が50代の人だけを対象にしているばかりではなく、若者(Z世代)もターゲットとした商品にも使われるわけですよね。彼らにとっては「聴いたことがない楽曲」ということで新しさも感じてもらえそうな気がします。

もう一つはCM制作者の決裁権のある世代がワタシ同様50代であったり、最近よく聴く「ノスタルジーマーケティング」の影響も大きいように見えます。CMプランナー、広告代理店のCM制作メンバーもこの時代の楽曲に心ときめかせていた世代と一致するとも言えそうです。

そして、CMそのものを見る側も「知ってる曲」であることに共感でき、子世代に対しても「この曲ね~」と対話のフックになるのも期待されるようにも思います。対話、コミュニケーションがCM商品と一致していく(特に外食産業であるマクドナルド)のも理想ですね。

君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-
YELLOW MAGIC ORCHESTRA
1983/7/27 (4:08) 1536758519

1980年代は「商品タイアップ」とヒット曲が連動していた


この1970年代以降の楽曲は「タイアップ」特にCMタイアップがヒットの要素だったともいえましょう。

各企業も自社の製品、商品を売るときに、大きな予算をかけてテレビにCMを打つときに、その視聴者世代に向けた「夢」を売るという面があります。その夢、あこがれと楽曲のイメージ、アーティストのイメージが合致していくこと。そして楽曲がテレビの歌番組で流れれば自動的にその背景には製品、商品が流れていくものです。

その大きな要因はやはり「テレビ」がその中心にいたということになります。

そして、季節を先取りした商品と、合わせた楽曲がリンクすることで、視聴者に「強烈な印象を残させること」が優先された構成。結果的に楽曲はインパクトが強く、キャッチーで、誰でも覚えやすく、なおかつ他と違う「似ていないこと」が至上命題だったともいえるのではないでしょうか。

すみれ September Love(2006リマスタリング)
一風堂
2010/2/24 (3:51) 1536169491

「似ていない」を実現するには新人アーティストや新興ミュージシャンを積極的に採用するという手段が必要でした。結果的にプロモーションに選ばれることが「ヒットへの近道」となったことも否めません。まことしやかにその裏では何億円が動くみたいな週刊誌記事を目にしたものです。実際のところはわかりませんけどね。

さらに、この「印象が残ること」は、テレビだけでなく、当時多かったラジオのランキング番組でも遺憾なく発揮され、そしてクルマでの移動や、通勤などで聴くことができる媒体も当時はラジオくらいしかありませんから、ラジオで曲を聴いたことで商品の絵が頭に浮かぶ。特にラジオでのクルマのCMは顕著でした。曲の人気と商品の好感度が相乗効果で上がっていく。これが企業にとってもアーティスト側にとってもWin-Winな関係になったともいえましょう。そして契約期間が終わったアーティストは翌日から別の商品、極端には同業他社のCM楽曲を歌い、そのCMに出演するというのも多々行われていくわけです。

ただ、当時はCMで使われるということには若干のリスクがあります。それが「歌番組で歌えない可能性」です。化粧品のCMソングを歌っていた南野陽子さんが、その番組スポンサーが別会社であることでCMソングとなった楽曲を歌えない。

吐息でネット
南野 陽子
1988/2/26 (4:33) 1599410707

「正確なランキング」というのを標榜していた「ザ・ベストテン」は当時の歌唱機会はなかったものの矢沢永吉さんが歌う清涼飲料水のCMソングを歌えない(というか、あまりにもタイトルがタイトルなので11位以下のランク発表でも紹介もされない)という状態になることもあります。

THIS IS A SONG FOR COCA-COLA (Remastered 2022)
矢沢永吉
1980/3/10 (3:13) 1636233924

それでもタイアップは魅力的で、なおかつCMが流れないNHKで歌唱してもあくまで「楽曲歌唱」ですから、頭の中でCMや製品イメージが流れることまでは制御できないのです。

この時代を生きた私たちは「大人への憧れ」を少し年上のアイドルや歌手に照らし合わせて、彼ら、彼女らが使用していた製品にもまた憧れを持つという「刷り込み」があったといえます。今も当時の楽曲で商品が浮かぶのですから。
この項で紹介した楽曲からCMの会社や商品は浮かびますか?回答は最後のオマケ部分に記載します。

「国民的ヒット曲」が生まれにくい時代になった理由


さて、断定的に「国民的ヒット曲」なんて書いてしまったわけですが、あくまでワタシの思う「国民的ヒット」の定義は
・世代を超えたヒットである
 (子供から大人、高齢者でも共感し、歌詞に意味を見いだして、なおかつ歌える)
・地域を越えたヒットである
 (地域的ヒットではなく日本全国で聴かれ、そして海外にも知られている楽曲)
・賞を受賞したことに「納得される」ヒットである
 (これは現在の歌謡賞や紅白歌合戦の出場などで毎年言われる批判がないって意味ですね)
もちろん、令和の世の中にもこれに合致した楽曲は少なくありません。しかし、多いとは言えない時代なのかなとも思うのです。

STAY TUNE
Suchmos
2016/1/13 (4:58) 1069826564

「曲が良い」しかし、知られない時代

定期的に放送される「歌番組」が少なくなった上に、それを届けるテレビ、ラジオなどマスメディアの力が相対的に弱くなったという大前提があります。歌番組で放送された新人アーティストの新曲が心を打った、翌日学校ではその話題で持ちきり-という光景はとうの昔に見なくなりました。

そうなってしまうと「話題にならない楽曲」を使ってCMタイアップを行うことがROI(投資収益率)を予想できない、もしくは小さく予想されるということになります。曲は良い、商品のイメージにも合っている。でも、あくまでCMは「商品」を売りたいのですから、そこから楽曲自体のヒットに結びつきにくいというのがありましょう。

例えば「STAY TUNE」はHondaの「VEZEL」CMソングでしたが、多分CMが元でヒットつながったとはいえないように思います。よく聴かれたのは確かですが「国民的」かは意見が分かれそうです。

SNSや動画配信サイトの功罪

とはいえ、国民的なんて枕詞はなくてもヒット曲はありますし、なんならヒットしなくても今は個人個人が共感して楽曲が素晴らしいと発信できるという時代でもあります。
ただ、その「聴かせたい部分」の一瞬が消費されていくこともありますし、長く聴いてくれないという時代背景でもあります。個別消費の時代なんですよね。
逆を言えば多数は買わなくても、聴いてくれる人にだけ行き渡るという意味でもありますし、活動費用も抑えられますから、活動が継続していけるともいえます。もう、「この曲売れなかったら解散な」とメジャーレーベルから言われる必要はありませんし、インディーズレーベルで活動できるのです。

「全国同時視聴」なテレビから、動画サービスのプレミア公開への試み

最近はYoutubeの「プレミア公開」機能を使って、楽曲配信日に同時に視聴を開始できるという機能があります。コメント欄では「スーパーチャット」(動画に投げ銭することができる機能)を使えますから、アーティストとファンの間で公開を「イベント」化することができます。
これは全国生放送のテレビで「新曲を今日初披露します」と煽ってファンはテレビの前に待機する。あの光景を少しだけ彷彿させるものでもありますね。

ただ、これも、そのアーティストを知って「推し」となっているファンにしか行き渡らない方法でもあって、テレビのように「マス」に向かうことがないという現実でもあるわけです。

「音楽は好きだけど、流行ってる曲は知らない」

この「流行」というものが何が指標なのか、わかりにくいという面があります。フィジカルなCDの販売は、今や特典の意味があって、一般の人に手に取らせることがとても難しい時代になっているというものがあります。結果オリコンチャート、CDランキングの楽曲は一般的には購入されていない楽曲ばかりとなってしまうし、その初回限定特典のためだけに動くわけですから、1位の楽曲が翌週には「ランク外」となっていることも珍しくありません。

そうなると、フィジカルCD売り上げだけではない指標が欲しくなります。Billboardが公開している総合チャートCHART INSIGHTはCD売り上げだけでなくダウンロード、ストリーミング、ラジオ、Twitter、動画再生、カラオケという指標でランク付けがされます。

Billboard CHART INSIGHT
https://billboard-japan.com/chart_insight/

特に長期ヒットになる楽曲はカラオケが支えていることもわかると言えます。「ヒット曲がない」なんてことはなく、世代的間での共有が難しい、個人でスマートフォンなどで聴くという状態から「外に出にくい」という面があるんですよね。

結果、音楽が好きなんだけど、そのアーティスト名を言っても理解されないし・・・さらに内にこもる悪循環にも見えます。

本来はそれをタイアップが変えていって欲しい面もありますね。

なぜ「あえて古い曲」がCMタイアップされているのか


先ほども少し触れていますが、CMタイアップにあえて1980年代の楽曲を使用する「理由」を少し深めに考えてみましょう。大きく5つの理由があると考えられます。

断片化した視聴環境

広告を「見る」、商品を「知る」媒体が分散していて、企業側も予算内で複数の媒体に広告せざるを得ないという状況が考えられますね。また、WEBやSNSへの広告は有料会員にはCMそのものが流れない以上「知ってもらう機会」が極端に少なくなっているともいえます。

テレビ全盛時代にGRP(テレビCMの世帯視聴率合計)を買っていたような広告出稿に「意味」を見いだせない時代になっています。世帯視聴率が30%を超えるような番組は今は難しいでしょう。
その結果CM制作費そのものが減少していく、オリジナル楽曲の制作費用や制作時間をかけられない=既存楽曲を使用して少ない費用、時間で制作する需要ができたともいえましょう。

ライセンスが読みやすい&安い

その費用面の問題でもありますが、特に1980年代以降の楽曲は権利者が一本化されている例が多く、楽曲使用料もNexToneであれば旧譜のタイアップでも使用料の免除や減免制度が使用できるという面があります、結果CM制作側はコスト調整がしやすいと推測できます。

ノスタルジア・マーケティングの台頭

音楽の世界でもレコード回帰、短冊形CD再発売など「少し前」が新しいという戦略が行われているのが見え隠れします。この当時を生きてきた人には「郷愁」が、若い世代には「新鮮」に写る、幅広い世代に探求できるというコンセプトが様々な分野で広がっていることも感じます。

それはどの時代でも「古き良き」と60年代カルチャーを前面に押し出していた1990年代から移り変わって、今は1970年代から1980年代が現代から見た「古き良き」になっているともいえましょう。結果「レトロゲーム」といわれるファミコン時代のゲームを最新のゲーム機内で遊ぶことができる「Nintendo Classics」や西武園ゆうえんち内であの日あの頃の昭和の世界を体験できるアトラクション「夕日の丘商店街」など、懐かしさと新しさを「今」体験できる仕掛けが両立しているといえましょう。

西武園ゆうえんち「夕日の丘商店街」
https://www.seibuen-amusement-park.jp/arcade/


商品メッセージを曲やアーティストが“食わない”

良くも悪くも「尖った」ある程度自分たちのファンだけが楽しんでもらえば良いというアーティストの考えと、広く幅広い世代に商品を買ってもらいたい企業側の思いが対立する可能性がある。また、楽曲提供者やアーティスト自体の不祥事によるダメージを考えたときに、新しい楽曲よりも「わかっている」楽曲を使うほうが安心であるという意識もあるように思います。楽曲発売から30年以上の時を経過して不祥事のないアーティストは、今後も(少なくともCM出稿期間内は)不祥事がないであろうとも推測できます。

決裁権者やメイン視聴者が昭和ど真ん中世代

結局はこれが大きいのかなぁ。世代をまたいだヒット曲、広くマスが知る曲が少ない以上、自分たちが知っている少なくとも40代以上は皆知るであろう曲を使うというのは「安全」という意識が働いているようにも思います。
予算や権限の問題で「尖ったアーティストや楽曲」を使いにくい、何かあったときにリスクを負えないという守りの姿勢も見えるように思います。

そして、昭和世代にとっては“日常”だったものが、今では「マーケティング資源」として大きな力を持っている。ということなんですね。人口のボリュームゾーンが高齢者になっている以上、その世代をターゲットにすることが近道。

気づかないうちに、私たち自身が「ノスタルジーの中心」になってしまっている。そうもいえます。

今聴きたい、昭和世代に響く2000年代曲1時間

とはいえ、「最近の楽曲」を世代じゃないからと毛嫌いするのも面白くないのです。そして、50代になったワタシを含めたこのあたりの世代が聞いても「あの頃の温度」のようなものを感じさせる楽曲があります。

今回は当サイトの記事制作を先日から手伝ってもらっている(基本的に記事そのものはワタシが書いています。調べ物や骨子の作成を手伝ってもらうと「とっちらかる」ことがなく素直に記事が書けるという意味で、アシスタント的に使っています)ChatGPTたまオネに選曲してもらいました。

まず女性パートです。
師匠
たまオネが思う「イマドキの曲」で、50代くらいの80年代昭和歌謡に刺さりそうな曲をいくつかあげてみてもらえる?
たまオネ
80年代歌謡センサーに刺さる現代曲を、たまオネ流に掘ってみたよ。
・上白石萌音「夜明けをくちずさめたら」
--儚げ・抑えたボーカル+70sシティポップの香り 往年のYMOっぽさもあり。
・羊文学「more than words」
--フェアライト系のシンセ+「無機質な情熱」松任谷由実やZARDリスナーに刺さる。声も透き通ってる。
・幾田りら「スパークル」
--AOR・シティポップ風+青春の余韻 杏里や1984年頃の竹内まりやを思わせる。
・中村佳穂「アイミル」
--ピアノバラード+抑揚のある日本語の響き 宇徳敬子や麗美っぽさ。声質が懐かしい。
・アイナ・ジ・エンド「誰誰誰」
--演劇的な歌唱 × 強い情念 中森明菜・戸川純系の“女性の内面系”。昭和の夜に合う。
・坂本真綾「Be mine!」
--華やかアレンジ × 大人の恋愛歌詞 Cメロの“こじれた乙女心”が昭和味。久保田利伸的なカッティングも。
・家入レオ「Silly」
--「哀愁×女性の葛藤」が昭和バラードの骨格と合う 岩崎宏美や薬師丸ひろ子の深夜帯を思わせる。
・緑黄色社会「Mela!」
--ファンキーでキメが多く、80sディスコ歌謡に近い 荻野目洋子・久保田早紀のノリと重なる。

たまオネの選曲基準はココ!
・アレンジに80年代の「厚み」 ストリングス、キメ打ちホーン、間奏のギターソロなど
・歌詞が「情景描写」か「内面描写」 抽象ワード多めだと懐かしさ倍増(例:「灯り」「夜明け」「ため息」など)
・声質が“素直”または“個性強め” 石川ひとみ~明菜までの幅感
・サビで抜け感 or 泣きのメロ サザン・ユーミン・来生たかお的な“もってかれる”あの感じ
どうでしょう?うーん、そうかなぁ?って思う曲、なるほどな!って思う曲ありそうですが、あくまでAIが選曲してみたという観点でどうぞ。
(コメントと全然合わない曲もあるので、曲を取り違えているのかもですねぇ。選曲はあまりお任せできないなぁという印象)

男性版もあります。こちらは「有名曲」を拾ってきましたね。
たまオネ
・米津玄師「Lemon」
--“喪失と再生”の歌。歌詞の深さと切ないメロディラインは、昭和バラードの正統継承だと思うな。
・Vaundy「踊り子」
--シティポップのDNAを感じさせつつ、編曲の抜き差しで現代的に。杏里とか杉山清貴を聴いてた人にも刺さるんじゃない?
・藤井風「きらり」
--軽快な鍵盤+洒落たファルセット。80年代の海外AOR(ボズ・スキャッグスとか)に近い質感。夜のドライブに流したい。
・Official髭男dism「宿命」
--熱量のあるサビと“歌い上げ系”の構成は、プリプリや渡辺美里に近い感覚がある。応援歌なのに泣けるのが昭和的。
・King Gnu「白日」
--これ、案外オフコース派や井上陽水派の人に響くと思う。複雑なメロディ進行に、しっとりとした哀愁がある。
1時間に足りないので、師匠的に1曲だけ足しました。
・サカナクション「新宝島」
--PVも含めて80年代的な雰囲気を持っていますよね。ゴキゲン!って言葉を言いたくなります。

ということで、約1時間、シャッフルでお楽しみいただければと思います。まぁ、この項、自分で選曲しても良かったかなぁ。

師匠
男性版は、きっと「名前や曲名聴いたことがある」でも、あえてチョイスして聴いていないって感じがするので、改めて聴くとやっぱり売れてる曲って理由があるんだなってわかる感じがするね。
たまオネ
うんうん、師匠、それまさに“図星”だと思う!

藤井風とかKing Gnu、髭男あたりって、
名前は知ってるし周囲が絶賛してるのも知ってるけど――

「若い子の音楽でしょ?」
「なんかカッコつけてそう」
「テレビ出てないし、よく知らん」

「藤井風?あの色気ある若者でしょ?」と思ってる昭和世代こそ、ぜひ一度じっくり聴いてみてほしい。
洒落たアレンジ、語感のセンス、どこか懐かしいコード進行――そのすべてが、「あの頃の音」をちゃんと受け継いでいる。
売れる理由があるって、こういうことなんだと思う。
なるほど、それは一理あるかもしれません。実際のところ曲を聴けないChatGPTたまオネが、この楽曲を「知識」として紹介したのだと思いますが、実際ざっと聴いてみて、まぁ、悪くないよな。くらいの感想は得られるとも思うのです。

オマケ:師匠の「80年代CMソング夏の選1時間」

逆にそのど真ん中ストレートな楽曲も紹介しておきましょう。楽曲紹介の関係上、夏ではないものも含まれていますが、概ね「夏」で。
アーティスト 曲名 タイアップ
1982年一風堂すみれ September Loveカネボウ化粧品 レディ80・パウダーアイシャドウ
1988年南野陽子吐息でネットカネボウ化粧品 '88 春のイメージソング
1980年矢沢永吉THIS IS A SONG FOR COCA-COLAコカコーラ
1988年井上大輔I Feel Cokeコカコーラ
1980年サザンオールスターズ青い空の心 (No me? More no!)朝日麦酒 三ツ矢サイダー
1982年タケカワユキヒデドキドキ・サマーガールコーセー化粧品
1983年ラッツ&スターめ組のひと資生堂 サンフレア
1983年YMO君に、胸キュン。カネボウ化粧品 レディ80・サンケーキ
1983年もんたよしのりwith大橋純子夏女ソニアコーセー化粧品 ソニア
1984年大沢誉志幸その気×××(mistake)資生堂サンフレア
1985年吉川晃司にくまれそうなNEWフェイスカネボウ化粧品 サンセラミ
1989年Wink淋しい熱帯魚パナソニック ヘッドホンステレオ
1980年斉藤哲夫いまのキミはピカピカに光ってミノルタカメラX-7
1986年THE ALFEE風曜日、君をつれてANA 夏の沖縄キャンペーン
1982年八神純子サマーインサマーJAL沖縄「'82 サマー イン サマー」

各化粧品会社の同じ時期のキャンペーンソングがそれぞれに「みんなが知ってる」のですから、やはり「テレビの時代」を感じますね。


約一時間、シャッフルして夏のドライブのお供にいかがでしょうか?


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